ことの発端は、去年の１０月に書いた「人口密度」のブログに登場する野良猫（ミルクと命名）のことなのである。
長い間、野良猫生活を送っていたミルクは、元気になるやいなや人になつかないとても凶暴なネコになったのである。
何とか人になつかせようと大きなネコ用のおりにいれて飼っていたのであるが、そのおりから脱走してしまったのである。
そして、その後、うちの玄関の軒下や冷蔵庫の裏を転々とした挙句、うちの家の農機具なんかをいれている納屋に居ついてしまったのである。
毎日ペットフードと水を置いて何とか手なずけようとがんばったのであるが、なかなかなつかないのである。

我が家で一番のネコなつかせ名人は私の母親なのである。
独特のネコ語を操り、いろんな野良猫を手なずける達人として一目を置いていたのであるが、この名人ですら１ｍ程度まで近づくのが精一杯なのである。
触ろうとか、なでようとかするとすぐに逃げてしまうのである。
私ができるだけ愛想のよいオーラを振りまきながらエサを持っていったところで、５ｍ以内には決して近づけないのである。
何とかしてなつかせようと数々の心理テクニックやヒーリング手法を使ってみたのである。
ミルクとアイコンタクトをしてみたのであるが、ミルクの心とつながる前に「ハ?」と拒絶されてしまったのである。
さらに、ミルクの価値を一言ずつ伝えながら一歩ずつ近づくというのもやってみたりするのであるが、一歩近づくだけでまたまた逃げられてしまったのである。
きっとこれは、ＢＧＭを使わなかったせいだと思い、納屋にＣＤプレイヤーを持ち込んでヒーリングミュージックを流しながら近づいてみたのであるが、これはＣＤプレイヤーを持った私を見るや否やまた逃げられてしまったのである。
どうやら心理学はネコには役に立たないようである・・・。
ネコの心を一番理解するにはネコが一番、と我が家のネコの中でも一番温厚そうなクロを抱いて近寄って見たのだが、ネコ同士で大ゲンカをする始末でもっと距離は離れてしまったのである。
なんとも扱いにくいネコなのである。

そんなことをしているうちに、２月に私が東京から帰ってきたころから、夜に納屋から「ガーゴ、ガーゴ」とものすごい低音が聞こえてくるようになったのである。
ミルクが鳴いているらしく、これは一大事何があったのか、と行ってみたところ、どうもさかりがついたようなのである。
我が家のネコはすべて去勢手術をしているので安全なのだが、野良猫のミルクはまだ去勢していないのである。よって、はしたなくもボーイフレンドを募集しちゃったりするのである。
ある意味、我が家に来てそこまで健康になったということなのであるが・・・
我が家に２匹いるオスネコはすでに去勢されているためにこの鳴き声にも反応せず、ミルクの声がただむなしく毎夜、毎夜こだまするのみであったのである。
そのうちかわいそうにミルクの声もガラガラ声になり、まるでカラスが悲鳴をあげているような鳴き声に変わっていたのである。
そのうちシーズンも終わるだろうとたかをくくっていたところ、なんとこのミルクの声に誘われて野良猫のオスがやってきたようなのである。
そして、ミルクはそのオスと手に手をとってなんと駆け落ちをしてしまったのである。
家の周りを探し続けたのであるが、ミルクはどこにもおらず、エサ箱には入れたままの状態でエサが残っているのである。

ところが、そのミルクがようやく帰ってきたのである。
ぴったりとあの鳴き声は止み、急におとなしくなってしまったのである。
ネコ達人のうちの母親いわく「間違いなく妊娠したわね」
そして、うちの奥様からの電話となるわけなのである。
おめでたいといえば、おめでたいのであるが、昔同じような状況で私はえらい目にあったことがあるのである。・
うちの子供が生まれた当時、我が家には６匹のネコがいたのである。そのうちの２匹のネコがそれぞれ５匹と６匹の子猫を生んだのである。
おかげで、我が家はいきなり１１匹の子猫と６匹の大人ネコに占領されてしまったのである。
うちの子供が赤ちゃんの頃の写真には、どの写真を見ても子猫が写っているのである。
ただ、あのときと違い、親ネコのミルクを私たちはぜんぜん手なずけていないのである。我々はそのミルクが生んだ子猫をどう扱えばよいのであろう？そして、ミルクは何度出産し続けるのであろう・・・
再び我が家は猫屋敷化するのであろうか？
悩みはつきないのである。

さらにこの子猫たちがまたシーズンを迎え、子供を生み始めたとすると・・・・・・
平家ではネズミ算と言わずにネコ算と言うのである。

しかしながら、もうすでに子猫の名前を考えている私はどうしたものであろうか？

2007年3月 2日 00:00