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2007年3月10日
大いなる野望

前々回の「今更ながらの著者プロフィール」のブログの〈仕事以外に何か活動されて
いることはありますか‥‥?〉のところで書いた「チーム・メタボ」の会長のこと
で、何人かの人にお問い合わせをいただいた。
「チーム・メタボってなんですか?」

世の中では、私のようにお腹がポッコリ出たおデブさんのことをメタボリック・シン
ドロームというそうなのである。
しかしながら、これは人々からうらやましがられたり、尊敬されたりするものではな
く、食生活など自己管理ができていない成人病予備軍として、ちょっとバカにされて
いるようなのである。
よって、われわれのようなおデブさんは、日々やせる思いで生活せねばならないので
ある。

そこで、私は立ち上がったのである。
われわれのようなおデブでも、けっして卑屈にならず、胸をはって、腹をはって、威
厳をもって生きられるように結成したのが「チーム・メタボ」なのである。

入会資格は、お医者さんや看護師さんが見ただけで思わず顔をしかめるほどのおデブ
であること。
さらに、採血するときなど腕に静脈が浮き上がらず、新米の看護師が思わずあせって
しまうほど肉づきがよいことなどが条件なのである。
しかしながら、そこまでのおデブとまではいかない人でも、なんとかこの会に入りた
いと思っている予備軍のために、下部組織として「メタボ Jr.」も作っておいたので
ある。
これは、いまは残念ながら入会資格には満たないものの、「平さん、あと3年ほど温
かく見守っておいてください。必ず期待には添ってみせます」と目標を明確にし、日
々精進してくれる人たちの会なのである。
ま、プロ野球というと二軍に相当する。
さらに、将来、プロ野球選手になりたいとリトルリーグでがんばっている子供たちが
いるように、チーム・メタボでも将来の長期的な育成を考え、「メタボ・キッズ」な
るものも組織化したのである。
われながら素晴らしいビジョンだと思う。

しかしながら、会を設け、とてもしっかりとした組織を作り上げたにもかかわらず、
おデブの人たちは、人がいいというか、遠慮深いというか、なかなかわが会に入会し
てこないのである。
そこで、よく組合活動などにある、この仕事につくかぎりは必ず組合に強制加入させ
られるシステムをまね、メンタル関係者で一定基準を満たしている人のすべてを強制
加入させたのであるが、なんと、恥ずかしがり屋さんが多いのであろうか。
脱会者があとを絶たないのである。
このブログを書いている3月7日現在、メタボ正会員4名、ジュニア会員2名、キッ
ズ会員1名に過ぎないのである。

メンタルの中には、同好の志を集めたいろいろな会が存在するのである。
いちばんの主流派は「三十路会」である。
これは圧倒的な勢力を誇り、国会における現・自民党のように強力な会派である。
「三十路会」とは、30代独身女性・彼氏ナシの会なのであるが、最近ではここから
派生した「四十路会」、さらに三十路会から脱会し、嫁にいった人たちで作る「鬼嫁
の会」などもあるほどの巨大勢力なのである。
一方、昔の国会にあった社会党や共産党のような中堅勢力として、「チーム・ザ・見
えるんです」や「イタコーズ」などの特殊技能集団の会派もある。
チーム・メタボも三十路会の対抗勢力となるべく、私の威信をかけて結成したのであ
るが、現状ではまるで国会における社民党クラスの少数議席なのである。

そこで、なんとか会員を増やすべく、大々的なキャンペーンを考えているのである。
「こっちの水は甘いぞ」をスローガンに勧誘するものの、ミネラルウォーターやお茶
を飲んでいる人たちは見向きもしてくれないのである。
うちの娘なんかも、誰に似たのかややぽっちゃりなので、なんとかメタボ・キッズに
入会させようと勧誘したのであるが、うちの奥さまからは目クジラを立てて怒られる
わ、あれ以来、娘は口をきいてくれないわで勧誘活動もままならないのである。

どうもテレビや雑誌でとりあげられ、メタボリック・シンドロームのイメージが悪く
なりすぎて、われわれの勧誘活動にいまの世情は逆風になっているようなのである。
そこで、なんとかイメージを改善するよい方法はないかとうちの若手受講生に相談し
たところ、おもしろいことを教えてくれたのである。
いま、若い女の子の間では、「カワイイ」という言葉をつけるだけでイメージがすご
くアップするそうなのである。
たとえば、とても気持ち悪い人のことをキモイというが、「キモカワイイ」という言
葉もあり、キモイ人の中にもかわいさを見つけたり、キモイけどちょっぴり惹かれち
ゃうという感じをいうそうなのである。

そこで、私は考えたのである。
では、「デブカワイイ」とか「フトカワイイ」というのはどうであろう?
「ブタカワイイ」はどうだとその受講生に提案したところ、すでに「ブタキモイ」と
いう言葉があるそうなのである。
個人的には「豚キムチ」っぽくていいのではないかと思うのであるが、却下されてし
まったのである。

では、チームメタボの会長として、私はこの「デブカワイイ」と「フトカワイイ」を
どうPRすればいいのであろうか?
セミナー会場の真ん中で急にゴロンと転がって、お腹を見せてゴロゴロしたり、スピ
ーカーのコードにじゃれたりするのはどうであろう?
また、トドのようにゆっくり寝そべって、日光浴などをしながら、たまに横にゴロン
ゴロンと転がってみるのもよいかもしれぬ。
たぶん、若い女の子などは一発でイチコロであろう。ふふふ‥‥。

おお、そういえば「トドカワイイ」はどうであろう?
みなさんもなにかよいPR作戦があれば、どしどし応募していただきたいのである。
野望は広がるばかりなのである。

2007年3月10日 00:00