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2005年5月 1日
ゴールデンの牛丼女パート2

前回の『牛丼女の悲劇』をモチーフにしたテレビのバラエティ番組の企画の話をテレビのプロデューサーから受けてびっくりしてしまったというお話の続きです。
新宿十二社温泉の密談から、十日ほど経ったある日、私が上京するのを待ちかねていたように、某プロデューサー氏が東京の事務所にやってきました。
「先生、企画書ができ上がりました。ゴールデンで2時間。19時?21時の枠です」
「えっ、2時間ももらっちゃっていいの?」
「タイトルもバッチシ決まったんですよ『女の悲劇』でいきます」
「えっ?それって、『牛丼女の悲劇』から牛丼取っただけじゃん…。しかも、ちょっとそのタイトル暗すぎない?」
「内容がおもしろいから、タイトルくらい多少、暗くったって 大丈夫ですよ」

「で、牛丼女で2時間ひっぱれるの?」
「いやいや、『牛丼女の悲劇』のほかに、『時限爆弾女の恐怖』や、『スケコマシのテクニック』、『奥さまは貞子』も全部、詰め込みたいんですよね」
「僕のネタを使ってくれるのはありがたいんだけど、一般受けするかなぁ???」
「テレビ局も乗り気ですし、あとは、スポンサーだけなんですよ」
「えっ?スポンサーのOKまだ取ってないの?」
「でも、出演者も構成もほとんど決まってるんです。まず、平さんにトークしてもらって、その後、再現ビデオ。それから、スタジオにふって、ゲストに『あなたたちにも似たような経験がなかったですか?』というトークで盛り上がろうという企画なんですよ」
「えっ僕も出るの?」
「当たり前じゃないですか。今までさんざん、PTAのお母さんに見られたら嫌だとか、関東ローカルしか出ないとか、無理ばっかり聞いてきましたけど、今回はなんと言っても、全国区のゴールデンですからねぇ。あっ、ちなみにスーツとか着てこないでくださいよ。ズボンつりは撮りたいんで、そこのところはよろしく。できたら、いつものアロハで」
「……」
テンションの上がったプロデューサーが帰った後、憂鬱な気持ちで上司の許可を得るべく家の奥様に電話をかけてみると・・・
「えっとあのー、うーんと」
「どうしたのよ?今、忙しいんだけど」
「えーっと、テレビの話が来てるんだけど…」
「関東ローカルでしょうね」
「いや、それが、全国ネットのゴールデンで2時間…」
「100歩譲って、もちろんスーツで、コメントだけの出演でしょうね…」
「そ、それが…アロハでズボンつりにしてくれと言われて…」
「何度も言ってますけど、あなたが何をしようが構いませんが、私と子供たちにだけは、肩身の狭い思いはさせないでくださいね(怒)」
「も、も、もちろん父親の権威は守る…つもり…きっと守る・・・いや、守れると思う・・・、守れたらいいなぁ」
それから、「実家に帰る」とまで嫌がった奥さんをさんざんなだめすかすこと数週間、我が家にも家庭の平和が戻ってきた頃、某プロデユーサーから1本の電話が来ました。
「すいません。スポンサーからOKが出なくて…この企画はとりあえず延期ということに」
「えっ?やっぱり」
賢明な読者のみなさんからは、「『社長だより』に載せるということは、本当は没になったということなんでしょ」とさんざんつつかれましたが、実はその通りだったのです。
実際、テレビの話は、企画の段階では結構盛り上がることが多いのですが、実際にその企画がテレビになる本数は10本に1本くらいというのが、現状なのです。あしからず。
ただ、最近はテレビの仕事はとても多く、心理関係の番組の最後のエンドロールをよく見ていただくと、「企画協力・神戸メンタルサービス」というのが、0.5秒ほど映ることがありますので、マニアな方はご注目ください。

2005年5月 1日 00:00