さて、話はぜんぜん変わりますが、今をさかのぼること6年前、大阪にある天下のリッツカールトンホテルと神戸メンタルサービスがなぜかラブラブの大ロマンスだったことがあったのです。当時は、神戸メンタルさんのご優待レートというものまであり、リッツカールトンに電話をして「神戸メンタルサービスの紹介です」と言うだけで、定価の半額程度で泊まれるくらい優遇されていたのでした。
なぜ、ロマンスの関係になったのか？か、という話は長くなるのでまた別の機会にゆっくりお話します。

ある日のこと、私はリッツカールトンからのご招待を受け、優雅でリッチなホテルライフを満喫していたのでした。すると、ラウンジの担当マネージャーが「平様、もしよかったらこれをお使いください」と大阪一のガーデンプールとして有名なリッツカールトンのプールの無料優待券をくれたのでした。
これは、さっそく行ってみるしかない、とそのプールに行ったときに、この大事件は勃発したのです。
天下のリッツカールトンですから、水着がなくてもプールフロントで貸してくれます。もちろんXLサイズもありました。
さっそくロッカールームで水着に着替え、そしてバスタオルとプールサイドで読みたいと思っていた本を携えてプールに向かって行きました。
ところが、一流ホテルのプールというのは、必ずスイミングキャップをかぶらなければならないのです。
スイミングキャップ…一流ホテルといえどもスイミングキャップのサイズはありません。だって、ゴムで伸びるんだもん。

さて、普通の人ならラクラクかぶれるスイミングキャップですが、私の場合、四苦八苦しながら無理矢理かぶると、ゴムがパッツンパッツンになるまで伸びきってしまいました。かろうじて装着を終え、右手にバスタオルとタオルのセット、左手に本を持ちながらプールサイドに向かっていく最中、その事件は勃発したのです。

当時、私はなぜかリッツカールトンの有名人で、私が泊まりに行くときには、スタッフの間に顔写真が出回り、失礼がないように、と言われるくらいのＶＩＰだったのです。
プールサイドをさっそうと気取って歩いていると、目の横から耳にかけてスイミングキャップの伸びきったゴムが私の頭のサイズに耐えきれなくなったようで、スイミングキャップがジリジリジリジリと上の方に上がってくる感触が・・・・・・
「うぅ、ヤバイ」と思う間もなく、私のスイミングキャップはポーンと大砲をぶっ放したように、３ｍほど上方にに飛びあがり、プールの真ん中にポチャンと落ちてしまったのです。

「うぅ・・・見ないでくれ。そうっとしておいてくれ」という私の願いもむなしく、プールスタッフが、「あっ、平様、取ってまいります」とプールに飛びこんだのです。
プールサイドには、肩を揺するセレブたちが…

「そうっとしておいてほしかった。見て見ぬふりをすることが真のサービスではないのか・・・」などと考えている暇もなく、私の前にずぶぬれになったプールスタッフがやってきて、さわやかに微笑を浮かべ、私にスイミングキャップを差し出したのです。
「ありがとう」とそれを受け取ると、私はその後一日中、二度とスイミングキャップをかぶることなく、プールで泳ぐこともなく、一人、涙にくれていたのでした。
あれ以来、一流ホテルのプールには足を踏み込めないでいるのです。

これが深いトラウマになって、私の足を温泉に向かわせたという分析をするカウンセラーもいるくらいです。
みなさん、スイミングキャップのＸＬサイズはどこに行ったら買えるのでしょう？
私が一流ホテルで優雅に泳げる日はくるのでしょうか？

2005年7月30日 00:00