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2005年7月23日
保育園からのご注意

こんにちは、神戸メンタルサービス平です。
本当に暑いですね。みなさんにとってはいざ知らず、わたしにとっては、あせもが怖い季節なってまいりました。
あまりにも暑いので、今日は暑気払いに身の毛もよだつ、こわ?????いお話をさせていただきます。
この話は、決して人にはしゃべってはなりません。あなたの胸の中に収めておいてくださいね。
そうでなければ・・・

今をさかのぼること4年前のちょうど今ごろのお話です。
当時、うちの双子の子供たちは、地元の保育園に通っていました。
そのころの子供たちは、何かというとパパに「お話をしてほしい」と求めてきていました。
パパは、月曜日しかお休みがないので、月曜日の夜はパパと一緒に寝る日でした。そして、寝る前に子供に色んなお話をしてやらねばならなかったのです。
私は、「お話地獄」と呼んでおりましたが、うちの子供は、「おじいちゃんとおばあちゃんの出てくる話はもういい」とか、「昔々の話じゃなくって今の話をしてね」とかいろいろ注文をつけてくるのです。

子供たちへのお話というと昔話と相場は決まっていますがが、みなさん、いったいどれくらいの昔話をオープニングから最後まで完璧に語れるでしょうか?
親指姫がチューリップの中にいたということはわかっていても、最初から最後までフルコーラスで語ることができますか?
一寸法師は、お茶碗を船にしていたということは覚えていても、その前後がどうなっていたのか、私にはさっぱりわかりませんでした。
フルコーラスでお話ができるのは、『桃太郎』と『かぐや姫』ぐらいなものでした。
ですから、子供たちには、創作でいろんなバージョンの『桃太郎』や『かぐや姫』のお話を作って聞かせておりました。

「おばあさんは川へ洗濯に行ったところ川上から桃が流れてきました。でも、洗濯に忙しかったおばあさんは桃を見落としてしまい、ももはそのまま川下へ流れていきました」とか「竹やぶの中で光る竹を見つけたおじいさんが、持っていたなたで竹を切ったところ、切る位置が悪かったのでかぐや姫の首をはねてしまいました。誰も見ていないことをいいことに、おじいさんはそっとかぐや姫を埋めてしまい、その後、かぐや姫は貞子になったとさ。ああ、恐ろしや」など・・・。

ムリにムリを重ねた創作にかげりが見え始めたある日のこと、子供たちにいつものように、その場限りの出まかせの苦し紛れの創作の桃太郎の話をしゃべっていました。
「おじいさんは、山へ芝刈りに行き、一生懸命お仕事をしていたので、おしっこをしたくなってしまいました。そして林の中でおしっこをしていると、林の中に隠れていたヘビにおしっこをかけてしまいました。」
このころの子供は、おしっこやうんこ、ちんちんという言葉を異様に好み、異様に盛り上がるのでついつい多用をしてしまう羽目になるのです。
「おしっこをかけられたヘビさんは、『何をするんだ!』とおじいさんのおちんちんにかみついてしまったのです」このあたりまでくると子供たちは、異様な盛り上がりを見せ、大うけ。
「おじいさんのおちんちんはヘビにかまれて腫れ上がってしまったのでした」
下品は下品なりにこの辺りで止めておけばよかったものをついついノってしまった私は、いつものように「おばあさんにとってはめでたし、めでたし」と言ってしまったのです。どうせ子供相手にわかるわけがないや、と油断したのも事実だったのですが…

さて、この話から一週間ばかり経ったころ、うちの奥さんが保育園からの「ご父兄様へ」というお知らせを読みながら不思議そうな顔をしていました。
いったいどうしたの?と尋ねたところ、彼女は、私にその手紙を見せてくれました。
「前略 暑さ厳しき折、ご父兄様におかれましてはご健勝のこととお喜び申しあげます。
さて、このたび、当保育園におきまして、子供たちの間で間違った昔話や、変な昔話が流行っています。ご両親におかれましては、正しい昔話をお子様たちに教えていただけますようお願いいたします」
「いったい何のことかしらねぇ?」とうちの奥さん。
私は凍りついてしまい、すぐさまうちの双子に召集をかけました。
どうもうちの子供たちは、私の苦し紛れの昔話を毎週火曜日に、保育園のみんなに話し聞かせていたようなのです。うちの子供たちの昔話は保育園児に大ウケで、「もっとほかのお話はないの?」とうちの子供たちもかなりのプレッシャーをみんなから受けていたようです。
異様に記憶力がすばらしいこの年頃の子供たちは、私の言ったとおり、すべて完璧に「おじいさんのおちんちんは、腫れ上がってしまいました。おばあさんにとってはめでたしめでたし」というところまで、しゃべってしまったようです。そして、それを悪いことに先生たちが聞いてしまったようなのです…

この事実は、うちの奥様は知りません。未だに。
ですから、みなさん誰にもしゃべらないでくださいね。
もしあなたが誰かにしゃべったら、私が化けて出ると思ってください。私が化けたらきっとあなたは太りますよ。

2005年7月23日 00:00