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2005年8月 6日
地元の本屋にて

8月1日(月) 夏休み真っ盛り、子供たちを塾に迎えに行った帰り、親子3人で地元の本屋に寄ってみました。
娘は月初に発売の「なかよし」を買うため、息子はゲームボーイアドバンスの攻略本を入手すべく、そして私は温泉本の新刊がないかなぁと。3人の目的はそれぞれバラバラですが、本屋に行くということに関しては、全員一致したのでした。
子供たちが通っている塾が最近、移転したため、その近くにある結構大きい本屋へ行ってみたのですが、3人ともそこへ行くのははじめてでした。
そのため、それぞれが目的とする本の売り場がどこにあるのかわからなかったので、3人が1列になって、それぞれに目的としている本のコーナーを探しているときに、ある本を見つけて3人が一緒に「おぉ??」とうなってしまったのでした。な、な、なんと私の本が入り口近くに平積みにされて置いてあったのです。
私の本は、だいたい置いてあったとしても本棚の隅っこのほうに隠れるように一冊あるというのが常識のはずですが、なぜ、平積みに?
しかも目立つように高い平積みになっているのです。ということは、他の平積みの本は売れているから低くなっているのに、私の本はさっぱり売れていないから高い平積みのままなのか・・・ともかく私の本だけが高層ビルのように高くそびえているのでした。

そんなこととは露知らず、うちの息子が「パパの本がある!」と本を手にとってペラペラとめくりはじめたのですが、この日、塾の漢字テストで点数が悪く、再受講を命じられた息子は、あまりにも漢字が多い本に、すぐさま興味をなくし、ゲーム攻略本のコーナーを探すべく、旅立っていきました。

「ねえねえ、なんでペンネームで出さなかったの?」とうちの娘。
というのも小学校4年生の彼女はマンガ家志望で、将来に備えて普段からどのペンネームにしようかといつも考えているのです。さらにうちにいる5匹の猫にまでもペンネームをつけており、我が家では色んな名前が飛び交っているのでした。ペンネーム好きの彼女からすると、こんな千載一遇のチャンスにペンネームを使わないのが気に入らない様子です。
「なんだったら、私が考えてあげようか?」と目をキラキラさせて訴えてくるのですがが、それは丁重にお断りをし、それぞれの目的地に向かおうとしたそのとき、私たちがあまりにも大騒ぎしすぎたせいか、女性の店員さんから、「あの?著者の方でいらっしゃいますか?」と声をかけられてしまったのでした。

一応、恥ずかしそうに「えぇ、そうですが・・・」と答えたところ、彼女はうれしそうに話し始めました。どうやら彼女は、このお店の店主のお嬢さんで、長年にわたる私の恋愛心理学のメルマガの読者だったようです。そして彼女の尽力で私の本が平積みされていたようでした。
彼女は私の頭から足元まですばやく見渡し、「ブログも読ませていただいているんですが、本当のことだったんですね」と感慨深そうにしていました。足元を見つめ、「いつもスリッパなんですね」としみじみ。手を見つめ、「本当に大きいんですねぇ」と何か楽しそう。


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中学校2年生からアイドルになったときのためにと練習を重ねていたサイン


一方、私の側で一部始終を目撃していたうちの娘(彼女は質問魔なのです)が、「ねぇねぇブログって何?」「なんでこのお姉さんはパパがいつもスリッパを履いてるのを知ってるの?」ととても答えたくないことを次々と質問してきて私を困らせるのでした。
本屋のお嬢さんに、「よかったら本にサインをしてもらってもいいですか?」と言われ、彼女用の本にサインをしてあげたところ、「置いている本にもサインをしてもらったらいいかしら?」となかなか売れない気配の私の本に、商品価値をつけたらどうか?と考えた様子。
私が、「でも、商品を汚しちゃったり、お客さんに迷惑になったりしないですかねぇ」と言うと、彼女はちょっと迷った様子で「そうですねぇ、じゃあ、父に相談してみます」とこの本屋の社長さんであるお父さんを探しに行きました。

一方、取り残された私は、娘からのさらなる執拗な質問地獄。
「ねぇねぇ、なんであの人はパパのサインがほしいの?」
さらに目をキラキラ輝かせて「私もサインしてあげてもいいよ」と自慢げ。
「いや、それはだねぇ・・・君のサインはたぶんしなくていいと思うよ」と苦しんでいる私のもとに、先ほどのお嬢さんが、社長さんと思われるい恰幅のいい7・3分けの、クールビズの時代であるにもかかわらずしっかりとネクタイをした父さまを連れて来られたのでした。

そのときに自分に気づく私。「し、しまった・・・」今日もまたTシャツ、短パン、スリッパで、休みをいいことにヒゲも剃っていないし、風呂帰りで頭はボサボサだったのでした。
お嬢さんの方は私のことを知っていたのでうれしくてしょうがないという様子でしたが、社長であるお父さまはもちろん私のことを知る由もなく・・・「このだらしない中年男を見るだけで、本など読まなくても、内容はたいしたことがあるはずはなかろう、娘に言われ渋々平積みにしたのはいいが、それを裏付けるように一向にこの本は売れないではないか」というようなけげんそうな目つき。
お嬢さんが、「せっかくいらしていただいたのですから、本にサインをしていただいたらどうかと思うの」とうれしそうに言っていただいても、「そうだなぁ」とけげんそうにしているお父さま。
「でも、一応は本を買っていただくお客様の意向もありますので、本を汚すのはいかがなものかと・・・」と私が遠慮しながら発言すると、すかさずお父さんから「そうだねぇ、お客様の意向もわからないからねぇ」とすげなく却下されたのでした。

お父さまに丁寧にお礼を申し上げて、私たち親子三人は、逃げるようにこの本屋を後にしたのでした。
今日の選択 「これから本屋に行くときは、スーツとネクタイで行く!!」と心に決めた私でした。

※ちなみに平さんのお嬢さんがパパ用に考えてたペンネームは「つかさじゅんぺい(司 準平)」でした

今後のラインナップ(順不同)
・まわる温泉
・まわる温泉?探究編?
・危険な手荷物?飛行場で再検査されちゃったの巻?
・サラダボールの使い方
・キンタマール事件
・東北秘湯での大惨事 ?ステルス爆撃機撃墜事件?
・平様はお強いお方

2005年8月 6日 00:00