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2005年9月24日
キンタマール事件

いよいよついにこの話をするときがきたのである。
ブログの読者から、「以前から、今後のラインナップに『キンタマール事件』というのが載っているのですが、この話だけなかなかブログに書かないのはなぜですか?」というご質問をよくいただいた。
ラインナップのタイトルには書いたものの、この話を書いていいのかどうか、悩みに悩んでいたのである。
ブログの読者なら、もうすでに私が高貴で上品ではないということはおわかりだと思うが、下品は下品なりにそれでも公序良俗を守り、社会人としての最低限のモラルは生きていく上で必要であろうと考えたためである。

この話は、「下品すぎるのではないか?」これがテレビであれば「ピー」という音消しを入れられるし、アダルトビデオならモザイクをかけることもできるが、ブログとなると・・・しかし、話としては非常におもしろい話なのである。
書きたい、でも下品すぎる・・・書きたい、でもイメージが・・・でも、書きたい・・・と葛藤を繰り返しながらもこれまで書かずにきたのだが・・・
ポンポンとブログを書きすぎたため、さすがの私も最近はネタにつまってきたのである。

読んでいる読者のみなさまは、よくも毎週おもしろいことばかり起きて、この人の人生はどうなっているのだろう?と思っていらっしゃるかもしれない。
しかし、これは、私が今まで生きてきた人生の中での面白い話のダイジェスト版なのである。
私はドリフターズではないので、そう毎週毎週おもしろいことが人生であるわけではないのである。
しかし、「ブログがとっても面白かったですよ」と言われれば、燃えるのである。もっとおもしろい話を書きたいと・・・

そこで、今日、ついにこの話を書く。

今をさかのぼること約10年前、世の中には、精神世界ブームや、ニューエイジムーブメントという大きな流れがあった。
カウンセリングや、セラピーなどがまだまだ一般的ではなかったころのお話である。
この時代の火付け役は、「チャネリング」であった。
これは、宇宙存在バシャールなる高次の宇宙人が、地球人の「チャネラー」をまるで霊媒師のように使い、ありがたいお告げをみんなにしてくれるというものであった。
当時、この種の本はとっても売れた。多くの心を求める若者がバシャールを読み、インスピレーションを受けていたのであった。

そして、そんな時期に私のセミナーに、チャネリング信奉者のある若い女性がやってきたのであった。
セミナー終了後、私は受講生のみんなと打ち上げに行くのを常としているのであるが、たまたまその女の子が私の横に座ったのであった。

ここであえて書いておきたいことがある。
セミナーが終了した時点で、私の電源はオフになり、ただの中年のおっさんに戻ってしまうのである。
よって、決して私の飲み会での話は、信頼してはいけない。
ただの中年おっさんのよた話ほら話、自慢話の類として聞くように、というのがメンタルの常識なのである。
このことは、ほとんどの受講生には、アシスタントから注意が飛び、周知徹底させているのであるが、たまたま初参加であった彼女はどうやらこの注意を聞き漏らしていたらしい。

彼女:「平さんは?セミナー中は?どのエンティティとチャネリングをしながらセミナーをしているのですか?」
(エンティティというのは、高次な宇宙人のことで、いうなれば守護霊の宇宙人バージョンのようなものと思っていただけたらよいと思う)
平:「えっ僕はエンティティなんか持ってないですよ。ただの地球人ですから」
彼女:「またまた?本当は、エンティティがいるんでしょ」
平:「いやぁ、本当にそんなものないですから。守ってくれる守護霊もいないんじゃないかと思っているくらいですから・・・」
彼女:「またまた?隠さなくてもいいですよ。私にはわかるの」

とチャネリング信奉者である彼女はすっかり、何か大きく誤解している模様。
あまりにもしつこかったので、ついついいたずら心が私の胸の奥に芽生えたのであった。
「ん?しょうがないなぁ、どんなに隠しても君にはお見通しなんだね。誰にも言っちゃいけないよ。決して誰にも言っちゃいけないよ」と小声で彼女の耳元にささやくと、我が意を得たりとばかり、彼女は大きくうなずき、目をキラキラさせながら私の次の言葉を待っているのであった。
「世の中で、宇宙存在のエンティティといえば、バシャールが有名なんだけど、僕のエンティティはね・・・」彼女はまばたきもせず私の次の言葉を待ち続けていた。
「僕のエンティティはね。キンタマールといってね。風もない宇宙空間をゆらゆらゆれながら漂っている存在なんだよ」
ただただ、真剣な目でうなずく彼女。
普通、ここまで言ったら冗談だとわかりますよね。

彼女は、納得いく答えを聞けたので、また、楽しく打ち上げの宴会は続いたのであった。


さて、こんな会話を彼女としたことすら忘れていた数ヵ月後、私は先輩の別のセミナーにアシスタントとして参加したのであった。
そして、あの彼女もそのセミナーに参加していた。
セミナーが佳境に入り、彼女が昔の古傷を癒そうと苦悩葛藤していたときに事件は起きたのである。

私の先輩であるセミナートレーナーが彼女に手を貸そうと「いつもあなたは自分の問題を一人で何とかしようとがんばってきたのですね。ここにはあなたのことを本当に援助したいと思っているとてもたくさんの人たちがいるのですよ」とアドバイスをしたが、彼女は「そんなことないです。私なんか迷惑になる。私なんか・・・」と頑なにハートを閉ざしてしまった。
そこで、先輩トレーナーは「じゃあ、人では無理だとしても、もし神様や仏様や高次な存在であれば、あなたの問題をとても簡単に癒してくれると思いますよ」とサポートしたところ、チャネリングファンである彼女はこの「高次な」という表現に反応したのであった。
トレーナーはそれを見逃さず、すかさず「お釈迦さまでも、キリストさまでも、マリアさまでもどんな存在でもかまわないので、あなたのその問題をその存在に預けてみませんか?あなた自身がその問題を抱え込むのは重たすぎませんか?」とサポート。
そして、トレーナーが彼女に「あなたが一番信頼し、あなたを心から助けたいと思っている高次の存在にあなたの問題をゆだねてみましょうよ。誰にその問題をゆだねますか?誰に助けてもらいますか?」と言ったところ、
彼女はセミナー会場に響き渡るような大きな声できっぱりと「キンタマールに助けてもらいたい!」と言ったのであった。
私をはじめメンタルの関係者一同、卒倒したのは書くまでもございません。

バリ島には、キンタマーニ高原なる観光地があるのですが、この事件がきっかけで、かの地がメンタルのご本尊がある場所といわれるようになったのです。
メンタル関係者がバリ島に行くことを「お里帰り」と呼ぶのは、この事件がきっかけなのです。

また、打ち上げで私がのりにのってよた話をとばし、まわりを爆笑の渦に巻き込んでいるのをアシスタントたちが「今、平さんはタマールさまが降りてきていらっしゃるのよ」と言っているのは、こういういきさつがあったからです。
念のために最後に申し上げておきますが、私はイタコではないので、この種のエンティティ等とは一切コンタクトしておりませんので誤解なさらないようにお願いしますm(__)m

2005年9月24日 00:00