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2005年10月 1日
転校生

前回の『キンタマール事件』で、セミナー中と打ち上げのときでは、私のモードが変わると書かせていただいたが、モードが変わるといえば、私が田舎の自宅にいるときと大阪、東京などで仕事をしているときもまったくモードが変わるのである。
モードが変わるといえば、聞こえがいいかもしれないが、実は、人格が変わると言った方がわかりやすいかもしれない。

私は兵庫県の神戸の北の端の山奥いや、山中に住んでいる田舎者である。
うちの家の横に流れている川は6月になるとホタルが飛ぶし、夏なんかは、カブト虫の方から勝手に、我が家に訪ねてくれるくらいの田舎なのである。
うちの子供たちが通っている学校は、1学年1クラスしかないし、その1クラスもだいたい10人程度しかいないような過疎の村なのである。

当然、村中の人はほとんど顔見知り。ご近所づきあいが非常に濃?く残る地域なのである。
そんな村で万が一にも私がこんな仕事をしていたり、テレビに出たりするのがバレるとそれこそ村の一大事になってしまうので、私は村では隠密のように息を潜めてただの一村民として生きているのである。
まして、こんなブログを書いているようなことがバレようものなら、間違いなく平家は村八分になってしまうのである。
ということで、このブログを書いているということは、私にとって市民権をかけた、いや村民権をかけた命がけのプロジェクトなのである。

もちろん村のことであるので、草刈や祭、消防団の活動も一般村民と同じくまじめに勤め、2人の子供の父親としてPTA活動もこなしているのである。
去年は、じゃんけんに2回連続で負けてしまい、さらに6分の1のあみだくじで見事に当たりをゲットしてPTAの役員までやったのである。
1年間、PTAの役員をしたおかげで、学校の先生をはじめ、いろんなご両親とも知り合いができたのであるが、それがまた悩みの種にもなるのである

私をよく知っている人にとっては当たり前のことなのだが、とても私はだらしがない人なのである。
パジャマのままでタバコを買いに行くのも平気、Tシャツの前後ろが逆になっていたり、左右が違うスリッパをはいていることも多々あるのである。
事務所では「社長はボケ老人を介護するごとく扱え!」が鉄則となっている。

ところが、PTAの役員になってしまったおかげでちょっとは顔が売れてしまったばかりに、村のヒマなPTAの奥様方の井戸端会議の話題に登場するはめになってしまったのである。
そして、その話題の矛先は必ずうちの奥様に向かうのである
「ちょっとちょっと今日あんたのダンナ、Tシャツ前後ろ逆やったでぇ」とか
「あんたとこの家では、スリッパを対にするということをせえへんのか」とか
「もうちょっとダンナきっちり面倒見たらなあかんでぇ」などなどである。

ここでうちの奥様の名誉のために申しあげると、彼女は私と正反対の性格でとても几帳面でしっかり者である。
十二分にだんなの面倒は見ているのであるが、だんながそれ以上にだらしないのがすべての原因なのである。
結婚当初は、「髪がはねている」とか「ヒゲの剃り残しがある」とか、「ズボンのチャックが開きっぱなし」などと厳しく管理してくれていたのだが、さすがに結婚十数年にもなると、彼女の感覚もちょっとずつだんだん私のセンスに慣れてきてしまったきらいがある。

1センチくらいズボンのチャックが開いていたとしても、まぁいいかぁ、2センチくらいであれば許そう、3センチくらい開いていても、まぁ気づく人もなかろう・・・などと徐々に徐々に真綿で首を閉めるがごとく、徐々に感覚が私流にに汚染された模様で、最近はとみにチェックが甘くなっていきているのである。
子供はギャングエイジと呼ばれる小学校4年生の双子。子供というものは、楽な方に似るようで、私に似ているため、奥様は子供のチェックに手がかかりきりになり、最近はだんなさまのチェックにぬかりが出ているようなのである。
それをいいことにだんな様ときたら、日々ぬかりっ放しなので、村のヒマなPTAのお母様方のネタになってしまうのである。

一方、子供たちも小学校4年生にもなると、うちの父親はどうも他の友達の父親と違うことに気づくようで、最近は私の休日である月曜日に子供を学校に迎えに行くのもちょっと嫌なようなのである。

子供を学校に迎えに行く、「何と微笑ましい光景なのであろう」と私は思っているのだが・・・休日ということで普段に比べついつい服装がだらしなく、ヒゲ剃りもせず、髪型もとんでもないことになっている。
さらに普通は平日に子供を迎えに行くというのは、母親の特権であるにも関わらず、うちだけ父親が迎えに行くので、他の子供たちに目立ってしまうのである。

先日も、月曜日の休日に子供を迎えに学校に行ったところ、うちの子供たちはランドセルをグラウンドに放ったらかしにしたまま遊びほうけているのであった。
「もう、仕方ないなぁ、本当にだらしないんだから」と子供たちのランドセル2個をひょいと肩に背負い、子供たちが遊んでいる方に向かっている最中、うちの子供の友達が私を見つけ、「わーい 大人のくせにランドセルなんか背負ってる」と私を笑い者にするのである。
ここは元PTAの役員として、さらに子供たちの父親としての威厳を保つためにもピシリと言わねばなるまいと思い、仁王立ちで私をからかう子供たちをにらみつけ、威厳をもって言ったのである。
「今日から転校してきた平パパです。仲良くしてね(ペコリ)」と。
子供たちは大ウケにうけながら、また、どこかに遊びに走り去ったのであった。
そして、子供たちを迎え、その日は家に帰ったのである。

ところが、次の日の夜、いつものように夜遅くに自宅に帰ったところ、我が家の空気が重たいのである。
居間に重?い空気で座る2人の子供とママ。
「ただいまぁ」と帰った私をにらみつける子供たち。
どうしたのか、と聞いてみたところ、今日、学校でいじめられたそうなのである。「おまえのお父ちゃん、いつ転校してくるねん?昨日、転校して来るって言うとったで」

子供相手だからと、ついつい村民モードから、一般モードにスイッチが自動的に入ってしまったのである。うかつであった。
その後、一週間ほどの間、どんな家庭生活であったのか、あえてここには書かないが想像していただきたいのである。
あれ以来、ますます大きな体を小さくして隠密のような生活を続けているのである。
もし、私の村で私を見つけたとしてもそういうことなので、そうっとしておいていただきたいのである。

近々ついに我が家でもインターネットの接続をするという予定があるのであるが、恐ろしいことである。
近々このブログも地下に潜って裏ブログ化するかもしれないのであるが、そうなったときには・・・察していただきたいのである。

今後のラインナップ(順不同)
・平様はお強いお方 「痛い?痛い?」と彼女はうめき始めた。その瞬間、ホテルの廊下の掃除機の音がピタリと止まったのであった。
・3日で15kg太っちゃった事件「この体重計壊れてますよ。3日で15kg太るはずないじゃないですか」彼はきっぱり断言したのであった。
・ズボンつりの秘密 「ねぇねぇ、パパがもらう贈り物はなんでブタさんばっかりなの?」娘の素朴な疑問に私は困ったのであった。
・バルブマンの誉れ女将から認められた通の客だけがこの秘密のバルブの開閉を許されるのである。
・伊豆半島の露出狂「キャ?」何百人という女子高生に悲鳴をあびせかけられた瞬間であった。
・平家のカースト制度についてなんとインドのカースト制度は根深いものであろう。たかがウンコ、されどウンコなのである。平はインドの奥深さに圧倒されたのであった。
・真鍋かをりの逆襲?カウンセリングできず!!?あの真鍋かをりが私のカウンセリングを受けるために1m前に座っているのであった。私が第一声を発しようとしたその途端・・・
・隣のデューク更家そののぞき窓から平が見たものは、クネクネと歩く帽子をかぶった男の姿であった。「何やねんこいつ?」
その他 時事ネタなど

2005年10月 1日 00:00