2005年10月29日
平家のカースト制度
最近、日本語もつたなくなってきている私が言うのもなんであるが、大学4年生のころちょっとだけ通訳のようなアルバイトをしていたことがあった。
今はほとんど英語を使うこともなくなり、ボキャブラリーは200語くらいに減ってしまったのであるが、昔から学校の授業では唯一英語だけはできがよかったので、大学生のころは何とかそこそこしゃべれていた時期があったのである。
そのころ、自分の車を1台用意して、神戸にやってきた外人相手にその車で神戸や大阪の観光地を回るという変なバイトをしていた。
そして、そのバイトのつてで外国のお友達がけっこういたのである。
神戸にはなぜかインド人が多い。
バイトのお客さんの紹介で、とある日本語ペラペラのインド人と仲良くなり、彼と一緒によく遊んていたことがあった。
彼のインドの実家は農園で、紅茶を作っているらしく、かなり裕福なようであった。
神戸は真珠の貿易が盛んで真珠のバイヤーとしてとてもたくさんのインド人がいるのである。
彼は中学のときから日本に留学に来ているのであるが、彼のおじさんに当たる人が神戸で真珠の貿易商を営んでおり、彼はそのおじさんの家に下宿して大学に通っていたのである。
あるとき、彼に質問してみた。
「ねぇねぇ君の実家のインドの農園ていうのは、どれくらいの広さなの?」
彼はそのとき、何十万エーカーと言ったのか何百万エーカーと言ったのかは忘れたが、私にはまったく検討のつかない広さの単位を言ってくれたので私は彼に聞き直した。
「もうちょっとわかりやすく言ってくれないかなぁ?例えば六甲山の半分とか、神戸市の半分とか。そんな言い方で教えてよ」
「んーそうだなぁ。そういうことで言えば兵庫県くらいかなぁ」と彼は言ったのであった。
「ゲッ兵庫県!!」
ものすごい大地主なのであった。
あまりにも農園が広いので、その地区地区に昔の日本で言う庄屋さんのような人がいて、豊作でも不作でも年に何十トンという重さの単位の紅茶が上納されているらしいのである。
まったくケタ違いの金持ちであった。
ところが、彼はインドの実家にはなかなか帰りたがらなかったのである。
そして、その理由というのが、なんと水洗トイレのことなのである。
私は「水洗トイレ???」と思ったが、よくよく話を聞いていくと、どうも彼の実家には水洗トイレがないらしいのである。
うちのような田舎で水洗トイレの設備がないから、というわけではなく、彼のおじいちゃんが頑固に、かたくなに水洗トイレを作るのを拒んでいるらしいのである。
「おじいちゃんはなんでそんなに水洗トイレが嫌いなんだい?」と聞いたところ、日本暮らしが長い彼は、困ったような顔をしてこう教えてくれたのであった。
「日本人の君には理解ができないと思うけど、インドにはカースト制度という階級制度がいまだに残っているんだよ」
学生時代に社会の授業で習ったのでそのことは知っているつもりであるが、なぜカースト制度で水洗トイレが作れないのであろう???
彼は話を続けた。
「水洗トイレでウンコを流すと、最終的にはどこかのタンクで色んな人のウンコと一緒になるでしょ」
確かにそれはそうなのだが・・・
「でね。うちのおじいちゃんは、自分のウンコが自分より下のカーストの人のウンコと混じるのが許せないんだよ」。
「えぇ!!!」そう、インドでは、ウンコであったとしてもそれは自分の一部なのである。よって自分のウンコが自分より下位のカーストの人のウンコと交じり合うのが、おじいさまは耐えられないと言うのである。
なんとインドのカースト制度は根深いものであろう。
たかがウンコ、されどウンコなのである。
平はインドの奥深さに圧倒されたのであった。
そして、彼は面白いことを私に言ったのである。
「日本人はインドのカースト制度をインド独自のものだと思っているようだけど、日本にもカーストってあるよね」
例えば、彼の目には、彼が行っている大学の教授、助教授、講師というのもカーストと映るのである。
「でも、講師はいずれ助教授や教授になっていくじゃない。インドのカーストは上には上がれないんでしょ」と私が質問したところ、
「でも、講師が助教授をとばして教授になることはないじゃない」と彼は答えたのである。
確かにそうかもしれない。
ひょっとして、我が日本でも見えないカースト制度はあるのかもしれない。
つい最近、「サラダボウルの使い方」のブログを書いているときに、昔、彼とこんな話をしたのを思い出したので、日本におけるカースト制度について思いを巡らせていたところ、我が家にもカースト制度があることに気づいてしまった。
そう、我が家にはまさに純然たるカーストがあるではないか!!!
平家のカースト制度の頂点に君臨するのは我が奥さんである。
そしてその次に続くのは、ネコたちであろう。
我が家では子供たちがどれだけお腹をすかせていても、ご飯の最優先権はネコたちにあるのである。
人間は腹が減ったと言えば何か食えるが、動物たちは自分で食料を調達できないというのが理由である。
さらに何もしなくてもママに怒られないのは我が家では彼らだけなのである。
そして、第3カーストはうちの娘である。
最近は、とみに私をないがしろにしつつある。
そして第4カーストは我が息子であろう。口では娘にかなわないのである。
そして「転校生」のブログで書いたように、私はいろんな事件を引き起こしてしまうので最下位カーストの地位に甘んじているのである。
昔は私の下にチロという犬がいたのであるが、今は平家を脱走してしまったので私が最下位カーストである。
インドでは、自分より下位のカーストのウンコと一緒になるのが嫌で、かのおじいさまは水洗トイレを作らないと言った。
そういえば、我が娘は最近、「パパのパンツと一緒に洗わないで」とママにのたもうているではないか。
なんとカースト制度は根深いものなのであろう。
今後のラインナップ(順不同)
・ズボンつりの秘密 「ねぇねぇ、パパがもらう贈り物はなんでブタさんばっかりなの?」娘からの素朴な疑問に私は困ったのであった
・伊豆半島の露出狂 「キャ?」何百人という女子高生に悲鳴をあびせかけられた瞬間であった
・真鍋かおり、カウンセリングできず!! あの真鍋かおりがカウンセリングを受けるべく私の1m前に座っているのであった。私が第一声を発しようとしたその途端・・・
・隣のデューク更家 そののぞき窓から平が見たものは、クネクネと歩く男の姿であった。「何やねんこいつ?」
・ここが変だよおとぎ話 いきなり現れた王子様にキスをされてそのままついていくとは白雪姫はなんと軽い女であろう。7人の小人たちはやってられないのである。
・平様貞操危機一髪! その男は私の左ひざにやさしく手を置いて耳元でささやいたのである。「なぁ、ええやろ」
・アンパンマンはきみだ! このシチュエーションで私はどの面さげて奥様の前に出て行けばよいのであろう。出るに出られず私は困ったのであった。
・名付け親 AVのタイトルは、なんとすてきすぎるのであろう。「愛・恥丘博」「世界の中心であぁ?いぃ?をさけぶ」「見て肛門 まん遊記」
その他 時事ネタなど
2005年10月29日 00:00