2005年10月22日
3日で15kg太っちゃった事件
どうも私はデブであるらしい。
どこからどう見ても、どのような体重計の乗り方をしても、やはりデブらしい。
今さら「何と言うことを!」と言われるのであるが、何と言われようが自覚がないのである。
最近ブログに、昔はやせていたということを自慢げに書いてしまったおかげで色んな質問をされるようになった。
「いつから太っているのですか?」
「なぜ太っているのですか?」
「太って楽しいですか?」
「どんな意味があって太っているのですか?」
「やはり実家は両国ですか?」
「やせているんですが、このままでもカウンセラーになれますか?」
などなど・・・
はてさて、私はいったいいつから太り始めて、なぜこんなことになってしまったのであろうか?
もちろん楽しんで太ったわけでもなく、意味をもって太ったわけでもなく、ましてやカウンセラーになりたいから太ったわけでもない。
20代のころ私の体重は60キロ代で、手も足も速かったのが唯一の自慢だったのに・・・
記憶をさかのぼると、確かに私はカウンセリングを勉強しはじめて以来、少しずつ毎年のように太ってきたのである。
年に2kgずつ12年間にわたり、コンスタントに、几帳面に太ってきた結果がこれである。
1年に2kgというと月に直すと180gの増加である。
誰が月180gの増加に気づけるであろうか?
そして、今日、私は自覚のないままこの体型になってしまったのである。
書きながら、ふと気づいたのだが、実は私の心理学の師はアメリカ人の心理学博士なのであるが、私以上にデブなのである。
18年前に彼をはじめて見るまで、私はこれほどデブを自慢する人間に会ったことがなかった。
欧米では、「デブは自己管理すらできない人間として、ステータスが低い」と何かで見た記憶があったのだが、うちの師ときたらとってもチャーミングで明るいデブで、しかもデブであることに威厳すら持っており、インターナショナルピギークラブなどというわけのわからないデブクラブの会員であることを誇らしげに語っていたのであった。
実に潔いデブであったのである。
その頃、私はカウンセリングを学び始めたばかりで、カウンセラーとして我が師を非常に尊敬していたので、「いつか我が師のようになれたらいいなぁ」と願っていたのだが、神様はどうやらそれを体型のことだと勘違いして私の望みをかなえてくださった模様である。
もっとはっきりちゃんと神様にはお願いすべきだったと今さらながら悔やまれる今日この頃である。
しかしながら、私も我が師のようにデブであることで決して卑屈にならず、胸をはって自慢げに生きているので、他の人から見るとデブのくせに威張っているように見えるようである。
このように、社長のデブが威張るものだから、どうもメンタル全体でデブが幅をきかせているようである。
「デブであらずんば、人でなし!」
デブがデブで威張るものだから、昨今はハゲもハゲで威張りはじめ、どうも変な組織になってきたきらいがある。
さて先日、もと陸上選手、しかも短距離で記録まで持っていたという経歴を持つ私以上の自覚なきデブである友達とお風呂に行ったときの話をする。
彼と私はデブ仲間で、ともに自分が太っているという自覚がほとんどないという共通点もあるせいか、なぜかとっても気が合うのである。
しかし、私は私で「あぁはなりたくない」と思っているし、彼は彼で私が早く彼に追いついて逆転をしてほしいと思っているので、自覚がないくせにお互いの体重には異様に敏感になっていたりするのである。
一般のみなさまから見れば、我々は自分の体重などまったく気にも留めず、好き放題飲み食いをしているように見られるかもしれないが、私も彼も体重計に乗る前はなぜかとてもナーバスなデブになってしまうのである。
タオル1本の重さすら気にしてしまい、ロッカーのカギなども必ず床に置いて、できるだけ体重が軽く量れる状態をキープするのにはきわめて几帳面なのである。
さてこの日も、私が先に体重計に乗り「ムムム、93kgかぁ?」と憂鬱な気分になっていると、彼が後ろから体重計をのぞき込んで「だいぶ私に追いついてきましたねぇ」とニヤニヤ喜んでいた。
自称102kgの彼は、いよいよ私が一桁にまで追いついてきたのをとってもうれしがっていたのである。嫌な奴である。
次に彼が体重計に乗ると、表示が117kgになった。
すると、彼は大声で「おや、この体重計壊れてますよ」と言ったのである、。
私が「そんなことないと思うよ。こんなもんだよ」と言うと、彼はムキになって「絶対、この体重計壊れてます。3日で15kg太るわけないじゃないですか!」ときっぱり断言したのであった。
3日前、彼が家でお風呂に入る前に体重を量ったときはいつものように102kgだったと言うのである。ところがこの日量った体重は、117kgになっていたというのが、「3日で15kg太るはずないじゃないですか」という彼の発言の根拠となっているのである。
しかしながら、我々が量った体重計は、デジタル表示式で、私の体重を基準に考えてもこの体重計が壊れていて15kgも狂っているはずはないのである。
「ほう?、じゃあ何かい?この体重計が15kg重く表示すると言うなら、僕がさっき量った体重は93kgだったけど本当の僕の体重は、93kg?15kg=78kgだっていうことなの?」私はポンポンと下っ腹をたたきながら彼にきっぱりと言ったのであった。
彼は私のトレードマークのひとつであるチャーミングな下っ腹をじっと見つめて、「そうですねぇ。平さんが78kgということもありえませんねぇ」とうなだれたのであった。
もし、仮に彼が3日で15kg太っていたとしたら、これは、きっとギネス級の快挙であろう。
そこで、ギネスに登録する前に、より詳しく彼のお家の体重計のことを聞いてみることにした。
彼の家の体重計は、一般的にどの家庭にもある「ヘルスメーター」と言われるバネばかりスタイルの体重計なのである。
基本的に100kgまで量れて、針がぐるっと回って、体重が100kgを超えるとまた1のメモリに戻る一般的なやつである。
普段、彼が体重計に乗るといつも針は一周まわって2kgをさしていたらしいのである。
だから、彼は自分の体重は102kgだと主張していたわけであるが・・・
「で、いったいどれくらい102kgから太ってないの?」と質問すると彼はこの3年間102kgからまったく太っていないと主張したのである。
しかし、それも変な話である。私が知る限り、この3年間、彼は確実にコンスタントに太ってきたはずなのだから・・・・・・
そのとき、またもやタマール様がおりてこられ、大きな気づきが私に訪れた。
「ひょっとしてそれは君が太ってなかったわけではなくて、ヘルスメーターのバネが伸びきって102kg以上は量れないんじゃないの?」と彼に鋭く指摘したのであった。
彼は、いろいろと反論を考えたようであるが、最後には観念したらしくこの厳しい現実をうなだれながら受け入れざる得なかったのであった。
もちろん、次の日に彼にもう一個ヘルスメーターをプレゼントしたのは、言うまでもない。
そして、彼はお相撲さんが体重を量るように、右足と左足の下に1つずつヘルスメーターをおいて2つのヘルスメーターを合計して自分の体重を量るはめになったのである。
2つの体重計で我が体重を量らねばならないとは・・・あわれ・・・
さすがの彼ももはや自覚なきデブでいられるはずがないのである。フフフフ
と、事務所で自慢げにみんなに話したところ、こんな面白い話なのに、みんながまったくのってこないのである。しかも、みんなあわれむような目で私を見ているのである。なぜ?
そう、私にもまもなくその日が訪れようとしていることを自覚なきデブの私はまったく自覚していなかったのである。
あなおそろしや。
P.S なお、このブログを読まれた後、決して事務所にヘルスメーター等を送ることのなきよう、くれぐれもよろしくお願いいたします。
このようにスリムなお体が、まさか20年後に今のように見るも無残な姿になろうとは・・・ 合掌
2005年10月22日 00:00