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2005年12月 3日
ここが変だよおとぎ話

先日、インターネットの工事のために業者の方が我が家に下見に来られるということで、年末にはちょっと早いが、大掃除をしたのである。
平家はとにかく家中に荷物がとても多い家なのである。
子供たちは誰に似たのか、収集癖があるようで、大人から見ると何の価値もないようなものを一生懸命収集しているのである。
娘は『なかよし』と『ちゃお』の月刊漫画誌を毎号きっちりと並べているし、息子は息子で遊戯王カードとポケモンカードをたくさん収集しており、さらに、娘同様『コロコロコミック』を毎号きっちり並べているのである。
さらにそれ以上にパパの温泉本が所狭しと積み上げられており、うちの奥さんの頭を悩ませているのである。
ただし、これらはある意味、趣味の範疇なので、うちの奥さんもがまんの許容範囲であるらしいのだが、それ以外にも意味のないムダなものが平家には多すぎるのである。

そのほとんどが、私が買ってきた・・・いや買わされてしまった逸品ばかりなのである。自分で言うのもなんなのであるが、私は人がよいのですぐセールスマンのセールストークにしてやられる。
奥さんからはいつも「本当にカウンセラーなわけ?」とあきれられているのである。
我が家の一番の大荷物は、子供が生まれる前に入手した百科事典である。
十数年前に購入し、うちの子供は10歳になろうというのにいまだに封も空けていないのである。
しかも、百科事典の専用ラックまでついているのである。もちろんこれも搬入時そのままの姿で我が家にある。
その他、搬入されても封さえ切っていないもの多数。
いつも「もっと先のことをよく考えてくださいね」と奥さんから叱られているのである。
確かに、うちの奥さんの指摘は正しい。

しかし、このようにほとんど思慮なくものを買ってしまう私も、本を読むときだけは、腹黒くかつ入念に裏の裏まで考えてしまうのである。
小説などを読むときは、その人物の背景や生い立ち、家族構成などを自分勝手に心理分析したり、作り上げてしまうことも多々あるのである。

当然、このようなクセは子供たちの読む童話やおとぎ話にまで及んでしまうのである。
童話やおとぎ話のみんなが当たり前のように知っている登場人物の心理分析をも腹黒くしてしまったりするのである。

一般的な人がおとぎ話の主人公に持っているイメージと私の持っているイメージはずいぶん違うのである。
セミナーの打ち上げなどでたまに披露したりするのであるが、今回、あえてみなさまにも聞いていただこうと思う。

まずは、シンデレラである。
意地の悪いお姉さまたちにいびられながら暮らしているシンデレラのところに魔法使いがやってきて、素敵なドレスとかぼちゃの馬車をプレゼントしてくれ、王子様の舞踏会に行って王子様に見初められるというあのお話である。
シンデレラは、ガラスの靴を舞踏会に忘れてくるのだが、まず物語の構成上に無理がある。
なぜ靴だけが魔法がとけなかったのであろう?
そのあたりを作者は言及していないのである。
まぁそこは大目に見たとしても、その後のストーリーもまったくおかしいものなのである。

王子さまは部下に命じ、この靴のサイズにあう娘を町中探したのである。
一般論で考えれば、普通のサイズならたくさんの娘たちがそのサイズに合致してしまうはずなのである。ということは、シンデレラは極端に小さい足か、ジャイアント馬場クラスの大きい足でないと話が成り立たないのである。
と思っていたら、よく読むとシンデレラの靴はどの人がはこうとしても入らないほど小さい靴であったと記載があるので、ここも許そう。
しかしながら、そんな小さなガラスの靴であればみんなが無理に履こうとしたら、シンデレラのもとにたどり着く頃には、ほぼ壊れてしまっていたのではないかと推測できる。
しかし、このようなことも小さなことである。

が、絶対に許せない性格上の問題が一点残るのである。
王子の部下たちが、町中を靴を持って探していたのに、シンデレラはまったく気づかなかったのであろうか?
百歩譲って気づかなかったとして、我が家に兵士たちがやってきてお姉さまが靴を履いているのであるから、一声かければ済んだものをなぜ黙っていたのであろう?
そして、いよいよ自分の番になって靴を履いて、その靴が自分の足のサイズにぴったりだったときシンデレラは何と言ったのであろうか?
この女はたぶんきっとこう言ったに違いない「あれ?なぜだかちょうど入っちゃう。やだぁ? ピッタリ!」
兵士たちはやってられないのである。
「あんたわかってましたね!」と突っ込みたかったはずである。
もっと早めに言ってくれれば、こんなに苦労せずにすんだのにと思っているはずである。結構腹黒い女ではなかろうか?

続いて白雪姫である。
白雪姫は、どう見ても危ないあやしい魔女にリンゴをすすめられてその場で食べてしまうとは、いったいどういう教育を受けてきたのであろうか?
うちの子供たちですら、見知らぬ人からものをもらってはいけないとか、ついていってはいけないとか、さんざん学校の先生から言われている。にもかかわらず、いきなりあんな怪しい人からリンゴをもらって食べてしまうとは、親の顔が見てみたいものである。

さらに、7人の小人たちにあれだけ献身的に面倒を見ててもらったにもかかわらず、いきなり現れた王子さまにキスをされてそのままついて行くとは白雪姫はなんと軽い女であろう。
7人の小人たちはやってられないのである。
しかも、このキスをした後「お姫様の口の中から毒リンゴのかけらがぽろっとこぼれ落ちました」と記載があるので、この王子様のキスはただの唇と唇がそっと触れ合うようなライトなキスでなかったことが証明できるのである。
「王子様、舌入れましたね」
しかも、この時点では、白雪姫は死んでいてお葬式のシーンなのだから、死体に舌を入れてキスをする王子様はだいぶアブない変態ではないかと推測される。
今後の2人の結婚生活が心配されるところである。

さて、女性ばかり取り上げたので、今度は男性の桃太郎を心理分析してみたいと思う。
まず、桃太郎は、きびだんご1個でイヌ、サル、キジの3匹を手下に従えたと書いてあるのだが、これはいくらなんでも人の弱みにつけこみすぎているのではないだろうか?
これが現在のことならば、間違いなく労働基準法違反であろう。
たかだかきびだんご1個で、イヌ、サル、キジたちの労働はあまりにも危険が多すぎるのである。
鬼が島に渡り、鬼との壮絶な戦いまで引き受けてしまうのであるから、いくらなんでも危険手当くらいぐらいは出すのが本来の姿であろうと思う。
たまたま勝利して、鬼ヶ島から金銀財宝を奪い、このすべてをおじいさんとおばあさんにあげてしまうのだが、実はこれらの宝物は、本来、鬼が誰かから奪ってきたものであるのだから、持ち主に返してあげるのが筋だと思う。
一応、美談にはなっているが、桃太郎さんのしていることは町の乱暴者とあまり変わらないのではないか。

桃太郎の本の中には、イヌ、サル、キジにきびだんご以外のものが与えられたと言う記載はないのである。

それにしても、薄給でよく働くイヌ、サル、キジたちである。
もし、桃太郎が「きびだんご1個で従業員たちを働かせる法」という本を出していたならぜひとも購入してみたいものである。いや、当社のコンサルタントとして雇いたいぐらいなのである。
きびだんご1個でねぇ・・・・・・うらやましい話である。

2005年12月 3日 00:00