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2006年3月25日
遥かなるアルプスへの道のり<Part1>

私の趣味の一つに飛行機のマイルを貯めるというのがあるという話を以前
書かせていただいた。
航空会社には、顧客を固定化するために、飛行機に乗った度合いだけマイ
ルが貯まり、そのマイルが一定以上になると無料航空券や金券などをサー
ビスとしてくれるシステムがあるのである。

国内の無料航空券を獲得しようとすると、1万5千マイルほど必要なので
あるが、東京と大阪を片道乗っても、マイルは280マイルほどしか貯ま
らないのである。
このため、飛行機に乗ることでマイルを貯めようとすると、国内無料航空
券をゲットするためには、約54回も飛行機に乗らなければならない計算
になり、あまりおいしくないのである。

ところが、各飛行機会社はクレジットカードと提携を結んでいるので、ク
レジットカードを利用した度合いだけマイルを貯めることができるのであ
る。10万円利用すると約1千マイルほど貯めることができるのである。

そこで、セコく腹黒い私は考えたのであった。
メンタルの経費をすべて航空会社と提携したクレジットカードで支払って
しまおうと。
そして、支払いはできるだけクレジットカード払いにした挙句、3年間で
ついに25万マイル以上を貯めたのであった。
なぜ3年間かというと、私が使っている日本航空のマイレージは、有効期
限が3年だからである。3年前に貯めたマイルは利用しなければ自動的に
なくなってしまうのである。
去年の年末のくそ忙しい中、家族4人で国内旅行をしたのも、去年の末に
7万5千マイルが消滅の危機にあったためである。

今年のお正月に、さてさて今はいったい何マイルになっているのだろう?
と問い合せをしたところ、25万マイル少しばかりあったのである。
そして、当然のことながら、今年の年度末にはまた10万マイルほどが消
滅してしまう・・・。
家でそんな問い合せをしていたところ、うちの賢い奥様が私に質問をして
きたのである。
「ただで海外旅行には行けないの?」
「もちろん行けるよ。ヨーロッパまでビジネスクラスに乗ると、家族3人
分で25万5千マイルで行けるよ」
うちの奥さんはすかさず、「じゃあ何で行かないの?」と懸命な質問をし
たのであった。
まったく恥ずかしい話なのだが、この時点まで私の頭には温泉旅行のこと
しかなく、海外旅行などまったく考えてもいなかったのであった。
しかしながら、私を動かすひとつの動機が見えてきたのである。
ヨーロッパには、温泉が多い。
日本ほどではないにしても、古くからの湯治場がたくさんあるのである。
ハンガリーのブタペストなんか町中温泉だらけなのである。
私は、燃えたのであった。
よし、では行こうではないか!

しかしながら、先ほども書いたように、私の持っているマイルでは、ビジ
ネスクラスなら家族3人までしか行けないのである。エコノミーであれば
間違いなく家族4人で行けるのであるが、何分この巨体、エコノミーでは
つらすぎるのである。
しかも、ヨーロッパは遠すぎる。12時間はかかるのである。
ところがである。
私はこの4月から、サファイヤ会員になったのでアップグレード券がもら
えるのである。
つまり、エコノミーの切符を買えば、ビジネスで行けるのである。

さっそく事務所で交渉を開始したのである。
なだめる、おどす、こびる、たのむ、泣く、だだをこねる・・・こと1週
間。ようやく夏休みを確保し、無料で行ける路線を調べたのである。
しかし、2月に頼んだにもかかわらず、ちょうどバカンスのシーズンとも
重なっていたせいであろうか、7月の後半のヨーロッパ線はなかなか予約
がとれないのであった。
しかしながら、何とか探し回り、行き中部国際空港発のパリ行き、帰りは、
ミラノ発成田行きがゲットできたのである ?( ̄▽ ̄)/

何がうれしいったって、無料でヨーロッパに行けるのがとてもうれしい!
それ以来、私のカバンからは温泉本がすっかり姿を消してしまったのである。
今、私の温泉カバンの中にはヨーロッパの「地球の歩き方」ばかりである。
しかも、私は性格がすごい凝り性なので、旅行会社の資料以上の資料を集
めてしまうのである。
ちなみに新婚旅行や心理学の勉強でスイスに行くことが多かった私は、ス
イス政府観光局並の資料が我が家にあるのである。
時刻表だけでも、鉄道の時刻表は言わずもがな、スイス全土のバスの時刻
表、ロープーウェイの時刻表までほぼ網羅しているのである。

しかしながら、今回の旅程は行きがパリで帰りがイタリアのミラノなので
ある。フランス発スイス経由イタリア行きという3ヵ国の資料集めに奔走
しているため、あれだけ温泉に情熱を向けていたこの私がこの1ヵ月間、
まったく温泉の本を目にしていないのである。
今、私はヨーロッパにのめりこんでいるのである。
私にとって温泉は日本のシンボル。まるで日本人の本妻さんのようなもの
なのであるが、長い間相思相愛で連れ添ってきたこの関係に、いきなりヨ
ーロッパの金髪美少女が「ハーイ」と誘いをかけてきて、その誘いに今ま
んまと乗ってしまい、温泉そっちのけでヨーロッパの金髪美少女の愛人に
はまっているようなものである。
温泉は温泉ですばらしいのであるが、マッターホルンの頂やイタリアのコ
モ湖の初々しい魅力に今どっぷりとはまりこんでしまって、温泉という本
妻さんをほったらかしにしている状態が続いているのである。


2006年3月25日 00:00