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2006年4月 1日
Can You Speak English?

前回のブログで書かせていただいたように、私は今、フランス、スイス、イタリアのことでますます頭が大きく膨らんでいるのである。
気分的には、みなさんが見ている私の頭の10倍以上は膨らんでいると思っていただけたらいいかと思う。

しかしながら、今回、気がかりなことがあるのである。
それは、私はまったくフランス語とイタリア語がしゃべれないということなのである。
私は大学時代、第二外国語にフランス語を専攻していたのである。しかも、みんなが2年間しか勉強しないところをフランス語の勉強が好きだったため、3年間も勉強する羽目になったほどである。

みんなには、私はフランス語がペラペラだといつも言っているのであるが、私のフランス語はすべていかさまフランス語なのである。
日本人にはフランス語をしゃべっているように聞こえるが、もちろんのことフランスではまったく通用しないであろう。
しかも、フランスもイタリアも英語が通用しにくい国として有名である。
今まで、私が行った外国は英語が通用したので、私のつたない我流英語でも何とかなったのであるが、今回は不安である。

私は外国に行ったときはいつも、度胸と気合で英語をしゃべる。
学生時代には、もっとちゃんと英語がしゃべれていたと思うのだが、なにぶんこの25年間、外国に行ったときぐらいしか英語をしゃべることもないので、ボキャブラリーがどんどん少なくなる一方なのである。
6年前にスイスに行ったときは、ほとんど中学生の英単語を駆使して日常生活を送っていたのである。
なぜかその年の夏のスイスはハエが多かった。
蚊取り線香はないのかなぁ?と思いホテルのフロントに行って、
「フライ フライ フライ(ハエ飛ぶ飛ぶと言ったつもり)フライ キラー プリーズ」と言ったところ、見事に殺虫剤をゲットできたのである。


こんな調子で、何とかかんとかやってきたのであるが、どうもほかの日本人の観光客も似たような英会話でがんばっていらっしゃる模様である。
このように単語をつなげていく英会話は結構、通用するのであるが、下手にまっとうな文法を駆使してしゃべろうと思うととんでもない間違いをしでかしてしまうことがあるのである。
今回は、私がこれまでに目撃した一字違いで大トラブルになった日本人の間違った英会話集を書いてみたいと思う。

今から約25年ほど前、私がはじめてハワイ旅行をしたときのことである。
その頃の私は、まだちょっとは英語ができていたので、何とかかんとか文法を駆使した英語をしゃべっていたのであった。
ある朝、私がホテルのフロントでくつろいでいると、ある日本人の女性が、フロントマンにこう言ったのである。
「プリーズ コール ミー タクシー」
彼女はどうも『タクシーを呼んでくれ』とフロントマンに言ったつもりだったのであろうが、このままでは『私をタクシーと呼んで』という意味になってしまうのである。
『タクシーと呼んで』と頼まれたフロントマンは、彼女に向かって「タクシー?」と言ったのである。
ところが、彼女はこれをフロントマンが『タクシーをお呼びすればよいのですね』と確認したのだと勘違いし、「サンキュー」と言い、私の横のソファに座ったのである。
私はそのことにすぐに気づいたのであるが、注意するのもなぁと思いながら、彼女の様子をうかがっていたのである。
当然のことながら、待てど暮らせどタクシーは来ないのである。
イライラした彼女は、先ほどのフロントマンにまたもや言ったのである。
「プリーズ コール ミー タクシー」
フロントマンは先ほどと同じことを言われ、困りながらも彼女に「タクシー?」と言うしかなかったのである。
彼女は『もう、しょうがないわね。忘れていたのね。でも、もうこれでタクシーは呼んでもらえるからだいじょうぶ』といった様子で、と私の横に座ったのである。
しかし、当然のことながら、やはりタクシーは来ないのである。
彼女の隣に座っている私は、彼女に何とかそのことを教えてあげようと思ったのだが、笑いをこらえるのに必死でなかなか彼女に声がかけられなかったのである。
ようやく一息ついたところで、彼女に教えてあげたのであるが、当然のことながら、「ありがとう」ともいってもらえず、顔を真っ赤にした彼女はどこかに行ってしまったのである。

しかしながら、もっと悲惨なケースがカナダであったのである。
カナダのエドモントンからカナディアンロッキーのジャスパーに向かう途中、大陸横断鉄道に乗ったときのことである。
カナダではとても有名な列車で、この列車にはパノラマ車両という屋根がガラス張りになって景色がとても見やすい車両が1両連結されているのである。
この車両は全席自由席で、座りたい人が座ってよいのであるが、結構、込み合っていたのである。
私が奥さんと仲良くこの車両でくつろいでいると、日本人の若いカップルがやってきたのである。私の隣では4人用の座席に外人のおじさんが1人だけ座って本を読んでいたのであるが、そのおじさんに向かって日本人の彼は、『座っていいですか?』と言うつもりで、「キャン ウィー シット ヒア?」と言ったのである。
その瞬間、外人のおじさんはものすごい剣幕で立ち上がり、「ノー!!!」と怒鳴ったのである。
この若いカップルはすっかりビビリ上がってしまったのであるが、彼らは、『座る=シット ダウン』と言うところを『ダウン』を言わなかったので、直訳すると『シット=うんこ』と言ったことになってしまうのである。
『ここでうんこしていいですか?』と彼はそのおじさんに聞いたことになるのである。
これは、誰だってノーと言うであろう。
日本人の私からすると惜しかったのであるが、『ダウン』を言うか言わないかで意味がまったく違うおぞましい結果になってしまうのである。

こんなことを多々目撃しているので、私も同じような間違いをしそうで恐いのである。
しかも、今度は子連れの外国旅行。子供たちの前で何とか権威を回復したいと考えている私にとって、この種の間違いは、致命的であろう。
ブログのネタになるようなことを狙わず、何とかカーストの地位を上げたいのである。

しかし、まずは海外旅行用に靴を買うことからはじめようと思う。

2006年4月 1日 00:00