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2006年3月18日
高度1万メートルの奇跡

オリンピックが終わってしまった。
しかし、オリンピックが終わったおかげで私の体調も順調に回復してきつつあるのである。
気がかりなのは、誕生日プレゼントのブログで書かせていただいたダイヤモンドラウンジのことだけなのである。
2月に入って以来、飛行機に乗る度にJALの空港ラウンジを利用させていただいているのであるが、最上級ラウンジと呼ばれているダイヤモンド・プレミアラウンジの入り口が気になってしょうがないのである。
とても重厚な木目調の入口。
何とか一目だけでも中を覗きたいと思い、意味なく入口付近をうろうろしているのであるが、入る人も出てくる人もなく、ただただ入口に座っていらっしゃる上品な係のおば様に不審がられているだけであった。

何とか入ってみたいものだ。
しかし、前回も書かせていただいたように、年間80回のフライトは、スチュワーデスでもない私からすると過酷な要求なのである。
「日本航空のいけずぅ?」

以前、私が飛行機のマイルを貯めるのが趣味の一つだと書かせていただいたところ、受講生のみなさまから「なぜ、JALなのですか?」という素朴な質問を多数いただいた。
私は日本の航空会社が、JAL、ANA、JASの3社で競合していた頃、一番サービスがよかったJASのマイレージ会員だったのである。
その当時、サービスのよい順番は(これは個人的な見解だが)、JAS、ANA、JALの順番だったのである。
そのうえ、JASは地方への便が多いので、マイルを貯めておけば何かと便利であろうと考えたのである。
はっきり言うが、JALは一番嫌いな航空会社だったのである。
女性でいうならば、ツンとすましてプライドだけが高く、ちっともサービスがよくない女性のようなものである。(この種の女性には、昔、たけのこはぎをされた経験があるのである)
ところがである、JALとJASが経営統合してしまった結果、私は必然的に
JALのマイレージ会員にさせられてしまったのであった。

人に許しを教える身ではあるが、日本航空には様々な恨みがあるのである。
私は、一般の人よりも飛行機に乗る回数が多いのであるが、それでも去年の搭乗回数は51回である。前年度は確か、30回程度だったと思う。
しかし、その私が過去2回も、羽田から飛び立ったのJALの飛行機が、箱根上空で機体に異常があるとの機長のアナウンスとともに羽田に引き返すという経験をしたのである。
それはそれで、ちょっぴし貴重な経験で自慢ではあるのだが、正直ちょびっとびびったのである。
お詫びとともにもらったのは、500円の商品券であった。しかもそれは、JALショップでしか使えないものなのである。
せこいぞ!日本航空!
まぁ、そういう私もセコさでは負けていないのであるが・・・

クリスタル会員やサファイア会員になると、アップグレード券なるものがあって、無料でスーパーシートと呼ばれるワンランク上の座席が広いところに乗せてもらえるのである。
ところがである。JALはスーパーシートを「クラスJ」などというちょっとばかしだけ席がいい、1,000円出せば誰でも乗れるしょぼいシートにしてしまったのである。
このときの私の落胆は大きかった。
「し、し、しまった・・・ANAにしておけばよかった・・・」
だって、いまだにANAはスーパーシートがあって、エコノミー席との格差は4,200円なのである。
そして、ANAのスーパーシート席には、お昼時にお弁当が出てくるという、JALにはないサービスがついてくるのである。
私は、飛行機でお弁当を食べるのが好きなのである。
JALは、スーパーシートとエコノミーシートとのサービスの違いは、おせんべい1枚だけなのである。(本当に1枚だけなんですよ)
ANAのマイレージ会員の方がよいではないか! とセコイ私は考えてしまうのである。
そして、これだけは声を大にして言いたいのであるが、全日空のスチュワーデスさんのほうが平均年齢がとても若いのである。
おばさんが多すぎるぞ!日本航空!

さらに国際線でも不満があるのである。
今や世界のビジネスクラスの主流は、フルフラットと呼ばれる180度リクライニングするシートなのである。
フルフラットで海外を旅行するということは、これはまるで飛行機の寝台車であろう。
私がしこたまマイルを貯めているのは、一重にビジネスクラスで海外旅行をしたいからなのであるが・・・
JALのビジネスクラスにもシェルフラットと呼ばれる170度リクライニンングが倒れるシートがあるのはあるが、このシートはニューヨーク線やロンドン線、パリ線など一部の路線がメインで、それ以外はほとんど旧式の138度しかリクライニングが倒れないシートなのである。
高い割にはセコイぞ!JAL!
などと日本航空に恨み満載なであったのである。

そんな私に、このすべての恨みつらみを晴らす奇跡が起こったのである。
その日、私は福島の温泉めぐりを終え、空路大阪に帰る途中であった。
特割と呼ばれる割引航空券は、福島?大阪路線には設定されていないため、26,000円も支払っての搭乗であったのである。
しかしながら、機内は団体客でほぼ満員。団体客には団体料金という特別な料金設定があるので、多分12,000円程度で乗っているのであろう。
しかしである、一旦機内に入ってしまえば、団体料金で乗ろうが、定価で乗ろうがサービスは同じなのである。

その日の私は、温泉帰りのため頭はボサボサ、ヒゲは2日間剃っておらず、体からは硫黄臭が漂っていたのである。
隣に座った2名のおばさまは、狭いエコノミーシートに身を沈める私を「何よこの変な人」という不審な目でみていたのである。
ところがである。
ドリンクサービスに来たスチュワーデスさんが、隣に2人のおばさまには、黙って飲み物をサービスをしたのであるが、この私には「平様、いつもご搭乗ありがとうございます。今日は何をお召し上がりになりますか?」と実名入りで尋ねてくれたのである。
その瞬間、私の隣のおばさまの目が明らかに「あんた何者?」というふうにちょっと尊敬のまなざしに変わったのである。それがすごくうれしかったのである。
その瞬間、私の中の数々の恨みつらみが一気に吹っ飛んだのである。
なんと簡単な男だと思いたければ思うがいいさ!

私の特別意識は十分満たされたのである。
ありがとう!日本航空! 愛してるよ!

2006年3月18日 00:00