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2006年3月11日
感じすぎるこの体

ギックリ腰になってしまった。
しかも、私の47歳の誕生日であるバレンタインデーの2月14日にである。
「ギックリ腰になってしまったんだよ?」とみんなに言うと、「何か重たいものでも持ったんですか?」と聞かれる。
「いや実は・・・」ギックリ腰になった状況が言いにくいのである。
重たいものを取ろうとしていたのでも、持ち上げようとしていたのでもないのである。
ただ、家で掃除機をかけていただけなのに・・・
ギックリ腰になってしまったのである。
鼻歌まじりで掃除機をかけていたところ、腰に電気が走ったのである。
その瞬間に動けなくなってしまったのである。
この体型ゆえ、以前から多くの人に「平さん、足腰はだいじょうぶなの?」と体を気遣うお言葉をいただいていたのであるが、これまでまったく気にもとめていなかったのである。
「うふふ、見てのとおり私の体は丈夫なのだよ。この体型はデブっているのではなく、体が丈夫だということなのだよ」と内心は自信満々であったのであるが、すっかり自信をなくしてしまったのである。

まさか掃除機をかけているだけで、こんな羽目になってしまうとは、私の腰はなんともろいのであろうか。
しばらくたってなんとか動けるようになったので、うちの受講生の医療関係者に電話をしたのである。
「ギックリ腰になっちゃったみたいなんだけど、これって温めたらいいの?冷やしたらいいの?どうしたらいいんだろう?」
彼女、曰く「それは冷やすよりも、温めるよりも一番の治療は減量ですね」などと今の私に何の役にも立たないありがたい治療方法を伝授してくれたのである。
しかしながら、一般的なギックリ腰というのは、なったが最後一週間は身動きがとれないものだと聞いていたのであるが、私の場合は15分ほど休憩をしていれば何とかなったのである。
うちの奥さんにここぞというポイントを足の裏で踏んでもらい、何とか自分で腰の調整をしてみたところ、それが功を奏したのか、何とか起き上がれるようになったので、はてさて今後はどう治療したものか?と考えてみたのである。
私は、ギャンブルもせず、結婚と同時に女性関係も奥さん一筋に定め、お酒もあまり飲まないので、唯一の出費が整体、カイロ、あんま、鍼なのである。
体の手入れに関しては、名医をたくさん知っているのである。
整体やカイロで痛めた腰をまた痛めてしまう可能性が怖かったので、今回は鍼治療で治そうと思ったのである。
奥さんに鍼の治療院に送ってもらい、先生に治療してもらったところ、先生が意外なことを私に言うのである。「平さんって意外と繊細ですよねぇ」
「はぁ??」図太いとか、ふてぶてしいとか、無神経ということは言われ慣れているのだが、繊細と言われたことはこれまでなかったのである。
「こんなに鍼に反応する体はそうそうないですよ。体が敏感なんですね。治療のしがいがあります」と先生からおほめの言葉をいただいて、ちょっとうれしかったのである。何はともあれ、先生の腕がよかったのか、敏感すぎるこの体がよかったのか、ギックリ腰はだいぶ楽になったのである。
「繊細で敏感ねぇ・・・そうか、私はナイーブだったのだ」ということで、みなさんも今後私をそういう風な目でぜひとも見ていただきたいのである。

どちらかというと、すべてのことがあまり気にならない私にとって、唯一ナーバスになるのが賞味期限なのである。
過去に腐ったものを食べてえらい目にあったという経験があるわけではないのだが、賞味期間近のものや賞味期限切れのものにはやけに敏感になってしまうのである。
「平さんなら何を食っても大丈夫ですよ」とよく言われるのであるが、心外なのである。

しかしながら、かつてみんなにそういうことを言わせてしまうようなできごとを引き起こしたことがあるのである。
あれは、今から3年ほど前のことであった。
私は事務所で、夕方5時過ぎに愛妻弁当を食べていたのである。
その日は何かと忙しく、昼ごはんがこんな時間までずれこんでしまったのであった。
お弁当を食べ終わったころ、ふと見るともうひとつお弁当があるではないか。
「おや?今日はなぜかお弁当箱が2つあるなぁ」と不思議に思ったものの、あまり気にもとめずに、もうひとつのお弁当箱に入っていたおにぎりをほうばったのであるが、なぜかぬめり感があるおにぎりだったのである。
「ムムム、納豆でも入れたのだろうか・・・」とチラッと思ったものの、そちらのお弁当箱の中身も完食したのである。
しかし、何か嫌な気分になったので、うちの奥様に電話をして尋ねてみたのである。
「ねぇねぇ、何で今日はお弁当が2つなの?」
「え?ひとつしか作ってないよ」
「・・・・・・2つあって食べたんだけど・・・ということは・・・これ、いったいいつのお弁当?」
たまに忙しくて昼ごはんを食べ損ねることがあるのである。
少なくとも昨日のお弁当でないことは確かなのである。
私は、3日前以上前に食べ損ねたお弁当を今日、食べてしまった模様である。

その日、私は夕方7時から大阪で講座があり、次の日から東京に行く予定であったのである。
「しっ、しまった・・・」激しい下痢と嘔吐にさいなまれる自分を想像し、真っ青になったのであるが、事実はもっと悲惨であった。


賢明な読者ならば、すでにおわかりだと思うが・・・何も起こらなかったのである。
またひとつ、伝説を作ってしまったようなのである。
それ以来、私がどんなものを食べようが誰も心配してくれなくなったのである。
されども、私はナーバスなのである。

ナイーブな平より

2006年3月11日 00:00