2006年5月 6日
男たちの戦場 <Part4>
我々は、19:30前に再びディズニーランドに戻ったのである。
あまりの昼の混雑ぶりに、我々は夜にかけたのである。
ディズニーランドの目玉商品、それは夜の『エレクトリカルパレード』であろう。夢の世界、ディズニーランドの一番の目玉商品と言ってよいこのパレードを見なければ、ディズニーに来たとは言えないのである。
よって、みんなこのパレードを見るはず。ということは、パレードを見る人が多いために、アトラクションは空いているであろう。
平家は、2日目にこのパレードを見る予定(しかも一等席で)があるので、今日は、一目散に『ビッグサンダーマウンテン』と呼ばれるジェットコースター乗り場に向かったのである。
が、しかし、な、な、なんと、昼間よりもましにはなっているものの、長蛇の列が・・・しかも、2時間待ちだという。
な、なんということ!
では、『スプラッシュマウンテン』と呼ばれる急流すべりはどうであろう?とそちらに向かうも、な、なんとここも2時間待ちなのである。
では、昔、一世を風靡した『スペースマウンテン』というジェットコースターはどうであろう?今はあまり人気がないと聞いた・・・とそちらの方に向かうも、ここもまた1時間半待ちなのである。
「いったいどういうこと!!!」と私をにらむ子供たち。
ま、ま、まさかこんなに混んでいるなんて。
参謀総長も、「夜は30分待ちくらいで乗れるはず」と言っていたのだが、やはり今日はものすごく混んでいる日らしい・・・・
しかし、万一こういうときのために、私は次なるカードも用意していたのである。
「じゃあ、『シンデレラ城ミステリーツアー』に行ってみようじゃないか?」
『シンデレラ城ミステリーツアー』とは、ディズニーランドのシンボルであるあのシンデレラ城の中に入るアトラクションなのである。
あの素敵なシンデレラ城が、悪者に乗っ取られてしまったため、そのシンデレラ城を悪者から奪回すべく、勇者が光の剣を持って魔物を退治するというアトラクションなのである。
実は、うちの子供たちは私の影響を受けて、ドラゴンクエストが大好きなのである。
このアトラクション、まさにテレビゲームのドラクエ同様、子供たちが勇者になれるアトラクションなのである。
ここはちょっと凝っていて、アトラクションには1人ガイドのお姉さんがついてくれるらしいのである。
我々を案内してくれるお姉さんが、シンデレラ城が魔物に支配されていると気づき、「わぁ?どうしよう?」とか、「これは、たいへんだ!」と大声をあげ、こんなことになっているとは露知らず(本当は知っているのだが)、急に困り始めるというところからスタートするらしい。
我々、参加者は、当然のことながら、「何をくさい芝居を」とか「わざとらしい」とか言うのはマナー違反である。
ここはひとつ「そりゃ、大変!」とか「なんてこったい、パパがもう少し若ければ勇者になれたのに、こんなデブではもはや・・・」などと乗ってあげるのが正しいマナーであろう。
実は、先ほどのホテルでの暇な時間を利用し、うちの息子と2人でさんざん予行演習をしていたのである。
しかもこのミステリーツアーは、さほど混まないアトラクションであると参謀総長も言っていたし、手元にある「ディズニーガイド」にもそう書いてあるのである。
通常でも待ち時間は30分、パレードのときは、混んでいる日でも15分もあれば入場できるはずだったのである。
ところがである、シンデレラ城に近づくにしたがって何ゆえか、長蛇の列。
そして、どうやらこの列がミステリーツアーに入場するために並んでいる列の模様。
しかも、最後尾にいる係のお姉さんが我々に言うのである。
「誠に申し訳ございませんが、本日はもう並べません」
な、ななんと!何ゆえこれだけ混むのであろうか!
そこで、お姉さんに聞いたのである。「いつもこんなに混むのですか?」と。
実は、このミステリーツアー、あまりにもお姉さんの演技がダサかったのか、わざとらしかったのか、あまり人気がない模様で、4月5日をもってなくなってしまうらしのである。
それゆえ、まるで、誰も乗らない地方のローカル列車が廃止されると発表された途端に、お客さんが群がるように、このみんな見向きもしなかったミステリーツアーが、長蛇の列になっているのである。
おー!なんていうこったい!!
すべての夢を閉ざされたうちの息子が、ぶんむくれて泣き始めたのである。
夜になればアトラクションに乗れると思っていたのに・・・せっかくディズニーランドに来たというのに、初日早々、我々は進退窮まったのであった。
そのときである。
普段の行いがよかったのであろうか、我々があまりにも不憫だと思ったのであろうか、ミステリーツアーの最後尾に並んでいらっしゃった、我々と志を同じくする4人の家族連れのお母さんが、女神の微笑とともにこう言ってくれたのである。
「あのー、『ビッグサンダーマウンテン』のファストパスを取っているのですが、私たちはここに並んでいるので、よかったらこれ、使ってください」
おー!なんというありがたいお言葉なのか!
普通であれば、お父さん一人をここに並ばせておいて、子供たちとお母さんは『ビッグサンダーマウンテン』に乗って来ればよいものを。
何というすばらしい家族愛なのであろう!
きっとこのおうちのお父様のカーストは高いのであろう。
我々は、まるで天から降って湧いたようなこのお申し出をありがたく受けたのであった。
念願の初アトラクション、しかも我が息子が乗りたくてしょうがなかった『ビッグサンダーマウンテン』のファストパスとはありがたい!
さっそく大喜びで平家一同、夜の絶叫マシーンにチャレンジしたのであった。
さらに、さすがのディズニーランドも9時を過ぎると徐々に行列も少なくなってきたので、30分待ちというアトラクションにもう1個乗り、この日は何とか子供たちの機嫌もおさまり、21:30過ぎにホテルに帰って来たのであった。
しかしながら、こんなに何もできないとは思わなかった1日である。
明日は、本番である。
もし、明日が今日と同じようであれば、私の権威は地に落ちたも同然。
明日は朝一番からディズニーランドに並び、何とかファストパスをゲットせねば!
明日は、13:30からガイドツアーの予定がある。
最悪でもガイドツアーでアトラクションに3つは乗れるはず。
しかも、ガイドツアーのうちのひとつはジェットコースターものに乗れるという話を聞いた。
今日、『ビッグサンダーマウンテン』に乗っているので、何とか明日のガイドツアーは、『スプラッシュマウンテン』か『スペースマウンテン』に乗せてもらえれば都合がよいのだが、果たして私の思惑通りにことが進むのであろうか?
そろそろみんなディズニーネタに飽きてきたんではないでしょうか?ビビリながらもパート5に続く。
2006年5月 6日 00:00