tairaonsen2.jpg

2006年6月17日
今ここにある危機

私は、ファッショナブルである。
いつも時代のファッションの最先端を行っている、と自負しているのである。
今の若者のファッションを見ていると、おへそを出したり、お尻がちょっと見えているズボンをはいたりするのが、どうも流行っているらしいが、私なんか、10年前からそういうスタイルで過ごしているのである。
若者のそのようなスタイルが、ファッショナブルと呼ばれているにもかかわらず、私のそのようなスタイルが、「だらしない」と言われるのはまったくもって理不尽なのである。

男性用のズボンの去年の一番のヒット商品は、「はるやま」が出している「足長パンツ」なるものなのだそうだが、実は、私はずっと前からはるやまの足長パンツを愛用しているのである。
にもかかわらず、どうもまったくもって効果がない模様なのである。
私は、ブランド志向なので、いつも「はるやま」「コナカ」「青山」の紳士服を愛用しているのである。

ところがである。
いよいよリーチがかかってきたのである。
男性諸君ならば、おわかりだとは思うが、この種の大型店に入ると、所せましとズボンがかかっていて、サイズ毎に陳列されているのであるが、大概の店の一番の大きなサイズのズボンはウエスト100cmなのであるが、私のサイズも今、100cmなのである。
つまり、もう後がないのである。
にもかかわらず、ディズニーランド明けに私の体重は史上最高を記録し、さらにヤケになって暴飲暴食をしたおかげで、さらに増加した。

しかしながら、ディズニーランド明けの暴飲暴食は、私的には、計算があった上でのことだったのである。
つい先日、メンタルの社員旅行があったのであるが、今年の社員旅行は東北温泉三昧の旅であった。
メンタルの社員旅行は、行き先が温泉で、1日に何湯も温泉を入り歩く。
しかも今回の温泉はすべて硫黄泉なのである。
硫黄泉の効能のひとつに肥満があるのである。
多少、暴飲暴食したって、3日間、硫黄泉に浸かりまくれば、何とかやせられると思ったのである。
そして、今、社員旅行を終え、再び、体重計に乗った私に、さらなる試練が待ち受けていたのであった。
なんと、温泉旅行に行く前よりもまた太ってしまったではないか!!!!!

ズボンがピチピチなのである。
ズボンのチャックの上の留め金が、曲がっているのである。
ボタンで留めるタイプのズボンは、ボタンがぶっ飛びそうで危険なのである。
心無い読者のみなさんからは、「キングアンドトールサイズのお店に行けば、いくらでもサイズがあるではないか」と言われるかもしれない。
が、しかし、考えてみてもらいたい。
一般のみなさんがいうブランド店に行くと、ズボンのサイズの上限は88cmで、それ以上のズボンなどは存在しないのである。
イタリア系のブランド店などは、82cmが上限だったりするのである。
何が言いたいか、と言うと、センスのよいズボンは、サイズの小さいズボンばかりで、我々のような体形では、はければよかろうという感じで、色やデザインは度外視なのである。
100cmのサイズがかろうじて置いてある紳士服の大型店ですら、ウエスト100cmのズボンは、紺かグレーしか色がないのである。
しかも、あって2,3本。選択の余地がないのである。

シャツにしても状況は同じなのである。
私はLLサイズのシャツを愛用しているのだが、これまたなかなかLLサイズがないのである。
私は、別名「LLサイズのシャツをSサイズのようにピチピチで着こなす伊達男」と言われているのであるが、一般的な紳士服のお店には、XLサイズなどはどこにも置いていないのである。

しかしながら、キングアンドトールサイズの店には、行きたくないのである。
たぶん、行ったら最後、二度と私は一般店には戻れないであろう。
なんとか、一般社会人と同じラインに踏みとどまっていたいのである。
「そこにどんな意味があるの?」と突っ込まないでいただきたい。
これは私のプライドの問題なのである。

実は、キングアンドトールサイズの店には、一度、足を踏み入れたことがあるのだが、みんな地味な服ばかりなのである。
確かに、街を歩いているおデブさんで、派手なデブというのをあまり見たことがないような気がする。
こうなると、我々おデブは、どこで、自己表現をすればよいのであろう?
派手な化粧回しでもしておけ、と言うのであろうか。
私が言うのもなんであるが、とにかく地味でダサい服ばっかりだったのである。

ファッション業界はどうもおデブにやさしくない模様である。
おデブにやさしくない、と言えば、ホテルや旅館のゆかたもそうなのである。
気のきいた旅館には、ゆかたにもLLサイズなるものがあり、結構、大きな丈でも揃っているのであるが、問題はゆかたの帯なのである。
みなさんが、旅館やホテルでゆかたを着るときには、帯は二重に巻いてちょうちょ結びをしてちょうどしっくりくると思うが、我々は帯を二重に巻くと、どうがんばっても結べないのである。
かといって一重で巻いて結ぶと、ちょうちょ結びのわっかが、異様に大きくなり、とても変なのである。
これこそまさに「帯に短し、たすきに長し」なのである。
うちの奥さんに旅館のゆかた用の継ぎ足し帯を50センチほど用意してもらいたいくらいなのだが、その格好でうろうろするのも社会人としてどうなのかと思い、いまだに実行できずにいるのである。

政府ももっとおデブが住みやすい国にしていただきたいと思う今日このごろなのである。

harataira.JPG
P.S. セミナーなどで、私の真正面に座られる方は、ズボンのボタンが飛ぶ恐れがありますので、今後、ご注意くださるようお願いいたします。

2006年6月17日 00:00