tairaonsen2.jpg

2006年7月 1日
不審人物

今年の秋から、私も関東で「フォローアップセミナー」をすることになった。
「フォローアップセミナー」というのは、ヒーリングワーク・ベーシックを受けていただいたみなさんの特典として、1,050円で参加ができるセミナーなのである。
本来ならば、ベーシックのトレーナーである北端くんがすればよいと思うのだが、事務所からは、「ぜひとも平さんにやっていただきたい」と言われるのである。
さわやかなイメージの北端トレーナーのベーシックを受けた後、アドバンスでいきなり平さんが出てくると、衝撃が大きすぎてコースを解約されてしまう恐れがあるというのが、事務所の見解なのである。
そのため、大阪では、ほぼ毎月、私がフォローアップセミナーをやっているのである。

フォローアップセミナでは、毎月毎月ニューフェイスにお会いする。
フォローアップセミナーの後には、いつも打ち上げがあるのであるが、その引率の責任者も私なのである。

初対面の受講生と色々とお話をさせていただいてわかったのは、ベーシックのアシスタント連中が、私のことをろくなふうに言っていないようなのである。
「アドバンスのトレーナーは、すごく太った人で、ドアから入れないこともあって、たいへんだ」とか、「アドバンスのアシスタントの役割には、トレーナーのおしりふき係がいる」などなど・・・。
おかげで私は、みなさんにこう言われるのである。
「思っていたほど太ってませんね」
「意外とまともじゃないですか」

何とかインパクトを和らげようというベーシックのアシスタントたちの愛情なのであろうが、ひどい言われようである。


また、私は、プライベートでも正体不明の人として扱われることが多いのである。
私は、朝、事務所に出勤する前に、有馬温泉でひとっ風呂浴びるのを日課としているのである。
普通のサラリーマンなら、とっくに会社に行っているであろう時間に、半分寝ぼけ眼のだらしない中年のおじさんが、毎日毎日やってくる・・・
温泉の人には、一体この人は何をしている人なのだろう???と思われているようで、よく「お客さんは、何屋さんなんですか?」と質問される。

たまに、セミナー後に、みんなをその温泉に連れて行ったりするもんだから、「あの訳のわからない平さんが、美女を10人ほど連れてやってきた。いったいあの人は何者なのだろう?」などと思われていたりするのである。
フーテンなのかと思いきや、日本全国の温泉情報には、やけに詳しいし・・・まったくもって正体不明の人のように扱われているのである。

昔、リッツカールトンホテルが大阪にできたとき、泊まるには高すぎたので、せめて朝ごはんでも食べようと思い、よく通っていた時期があったのである。
私は、セミナー開催日の朝は、やけに早く目が覚めてしまうのである。
セミナーなので、アロハをはじめ、とても派手な格好でレストランに行くと、入口で必ず、「お客様、朝食券などはお持ちですか?」聞かれる。
もちろん、泊まっていない私が朝食券など持っているわけなどないので、「いえ、ありません」と答えると、まさか、こんな朝早く、朝食だけを食べにくる派手な奴がいるとは思いもよらないのであろう、団体料金ではなく定価で泊まっている個人のお客様だと勝手に誤解され、結構いい待遇を受けた記憶がある。


しかしながら、正体不明で、得した記憶はこれくらいだけなのである。
昔、宮城県の鳴子温泉で、温泉から出てきてよれよれになっている私に、おばさんの2人連れが、「駅前行きのバス停はここでいいのですか?」と聞いてきたので、「ここでいいですけど、本数はあまりないですよ」と教えてあげ、時刻を見たところ40分ほど待たないとバスは来ないようであった。
私はレンタカーで温泉巡りをしていたので、「よかったら、乗っていきますか?」とできるだけ親切にさわやかな笑顔で答えたにも関わらず、2人とも2歩後ずさりし、きっぱりと「バスを待ちます!」と言われたこともあるのである。

しかし、極めつけは、約2年前に、当時乗っていた車が壊れてしまったので、今、乗っている紺色の中古車に買い換えたときのことである。
学校まで子供を迎えに行くことになったのである。
その当時、子供たちは、小学校で不審者に注意するようにと言われ、講習や訓練をさんざん受けていたのである。
さらに、不審者対策用に、防犯ブザーを常備させられていたのである。
そんなことを知っていたものだから、ここはひとつ車も新しくなったことだし、ちゃんと訓練ができているかどうか試してみようと思い、サングラスをかけて、子供を迎えに行ったのである。

うちの子供は、学校からうちの方向に向かって、歩いて帰ってくるので、迎えにいくときは、それをつかまえて車に乗せるのだが、その日は、娘の方が早く学校を出たようで、息子の前方、約100mを歩いていたのである。
そこで私は、娘の横で車をUターンさせ、娘にこう言ったのである。
「お嬢さん、黙ってこの車に乗りなせー」

うちの娘は、一瞬びびったようであるが、またいつものようにパパがバカなことをしているんだと気づき、私の車に乗ったのである。
しかし、問題は、100m後方を歩いていた息子である。
前方を歩いていた娘の横に、まったく知らない黒い車が突然、停まって、サングラスをかけた怪しい男に、車に乗り込まされた模様を目撃したのである。
これは一大事!と、うちの息子は、100m後ろから、防犯ブザーを引き抜き、ビービー鳴らしながら、「こらー悪者!」と大声でわめきながら走って来たのである。

私の住む村は、日本の歴史始まって以来、事件というものが起きたことがないようなのどかな平和な村なので、村人の何人かは、うちの息子の騒ぎにに注目したようなのである。
息子の方は、私の車に追いつき、「なんだパパかよ?」ということで一件落着となったのであるが、二人を連れてうちに帰ってからがたいへんだったのである。
うちへ帰ってみると、学校の近所の人から、「お子さんは大丈夫なのか?」という電話が3件もあったことを奥さんから聞かされたのである。
うちの奥様は、バカ主人が新しい車が黒であるのをいいことにサングラスをかけて子供を迎えに行った事実を知っていたので、心配して電話をかけてきてくれたご近所の方には、平謝りに謝ったそうである。

我が子に防犯ブザーを鳴らされた人って日本中にいったい何人いるのであろう?
住みにくい世の中になったものである。


2006年7月 1日 00:00