2006年9月23日
神様からのご褒美
サンモリッツでの2日目、8月だというのにこの地はとても寒い。
避暑というよりも、初冬のような気候である。
夏のサンモリッツがあまり人気が出ない訳がとても理解できるのである。
平家はこの日、サンモリッツの奥のベルニナ地方をレンタカーで周遊したのである。
ディアボレッツァ山に登ったり、イタリアの国境に近いポスキアーボ湖のほうまでドライブしたのである。
ポスキアーボ湖畔にあるラ・ミラーゴという片田舎でお昼を迎え、レストランを探したところ、この町でたぶん唯一であろうと思われる一軒のレストランを見つけたのである。
入ってみてとても驚いたのだが、そこは「グロット」と呼ばれる洞窟レストランだったのである。
昨日まで滞在していたルガノの付近には、この「グロット」と呼ばれる洞窟レストランが有名で多数あるとは聞いていたのだが、まさかこんなところで偶然「グロット」に出会えるとは、感激なのである。
手元にあるスイスのガイドブックには、「グロットを探せ」というコーナーがあり、編集者が「何とかグロットに行こうと探しまわったが結局探し当てることができなかった。グロットはいずこへ・・・」というコラムが書いてあったのである。
まさか、我々がこんなに簡単にグロットにたどりつくとは、何とラッキーなことであろう。
しかしながら、私の財布の中身は以前にも書いたとおり、このサンモリッツの気候同様、もはや初冬から厳冬の状態に陥っていたので、何とか安くすませたかったのである。
いつものようにイタリア語のメニューと格闘していたところ、となりのドイツ人の夫婦が見るに見かねたのか我々に「ここに来たからにはこの湖で獲れる川魚のムニエルを食べるべきだ」と協力にプッシュするのである。
予算が許すならばその提案に乗りたいところなのだが、我々にも事情があるのである。
しかし、この夫婦、我々のことをどう見たのか、我々に代わってオーダーまでしてくれたのである。
ここまでされると我々もあきらめるしか仕方がなく、この旅行一のランチを楽しんだのである。
たぶん鱒ではないかと推測される、魚のランチコースでそれはそれはおいしかったのであるが、おかげで有り金をはたいた状態になってしまったのである(*ToT)
さて、その後、我々はサンモリッツのとてもゴージャスな五つ星ホテルに帰ってきたのであるが、夕食はスーパーで買ってきたおそうざいと日本から持ち込んできたインスタント食品のオンパレードだったのである。
優雅なホテルでのとても貧しいディナーだったのである・・・・・・
翌日の朝、いよいよ旅行最終日となった我々は、スイスのサンモリッツから、イタリアのミラノまで移動しなければならなかったのである。
その夜、ミラノ・マルペンサ空港21:20発の成田行きで帰るのであるが、サンモリッツからミラノまではだいぶ遠い。たぶん300kmほどあるのではないかと思われる。
我々は来た道とは別のユーリア峠越えのルートで、再びルガノに向かったのである。
道は思っていた以上に快適で、しかも途中からは高速道路にも乗れたので、昼の2時過ぎにはルガノにたどり着けそうだったのである。
しかし、それではいくらなんでも早すぎると思ったので、ルガノの手前のベリンツォーナの街にある世界遺産に登録されたお城のお城の観光をして時間をつぶしたのである。
このお城は、世界遺産になったとはいえ、スイスのガイドブックでもほとんど取り上げられていないほどマイナーなお城なので、まったく何の期待もしていなかったのであるが、とてもおもしろかったのである。
ドラゴンクエストマニアの平家の子供たちは、異様に興奮し、2時間近くもこの城で遊んでしまったのである。
その後、ルガノでレンタカーを返し、ルガノからミラノのマルペンサ空港までは、シャトルバスで向かうつもりだったのであるが、なんとルガノに着いてびっくり!シャトルバスの時間が変わっているのである。
バス乗り場で子供たちと奥様と荷物を降ろし、私だけレンタカーを返しに行く段取りだったのであるが、バスの出発までなんと15分しか時間がないのである。
私は、大急ぎでレンタカーを返し、急な上り坂300mをまるでマラソン選手のラストスパートのごとくバス停に向かって走ったのである。
バスがもうすでに来ていたので、さらなるスパートをかけたおかげで、息も絶え絶えになったのであるが、何とか乗り遅れることなくバスに乗れたのである。
しかしながら、バスの時間が早まったおかげでマルペンサ空港に着く時間も早まってしまい、18時過ぎには空港に着いてしまったのである。
普通、国際線のチェックイン時間は2時間前からだと聞く。治安が悪いことで有名なこの空港で1時間少々どう時間をつぶしたものか・・・と思案しながらチェックインカウンターに行ったところ、な、なんとすでにチェックインが可能だったのである、。
何とラッキーな!しかも、我々はビジネスクラスなので出発まではラウンジでゆっくりと時間を過ごせるのである。
日本航空はこの空港には、ラウンジを持っていないので、我々はブリティッシュ航空のラウンジを使わせてもらえるのである。ブリティッシュ航空のラウンジは優雅なことで非常に評判がよい。しかも飲み放題、食い放題なのである。
もちろん飛行機に乗ってからもすぐ食事は出るのであるが、今日1日ひもじい思いをしていた我々は食ってしまったのである。しかも腹いっぱい。
これだけでもとてもラッキーだったのであるが、我々が飛行機に乗り込むと、旅行の神様はさらにすごいご褒美をくださったのである。
我々の予約したシートは2番、3番のAとBだったので、やけに前の方だなぁ、くらいにしか思っていなかったのである。
行きは日本航空の誇るシェルフラットと呼ばれる最新機材であったのであるが、帰りの便は昔の機材で、ビジネスクラスでもリクライニングが138度しか倒れないしょぼいシートと聞いていたのである。
しかし、席に着いたところ、びっくりするくらい広いのである。
しかも、どう考えてもリクライニングが変なのである。試しに倒してみたところ何と180度のフルフラットになるではないか!!
そう、この飛行機は古い機体だったために、A?Cの1番から3番までの12席、昔のファーストクラスががそのまま残っていたのである。
もちろん、写真をとりまくった。
一生ファーストクラスに乗れる機会などないと思っていた私にとっては、最高の旅のしめくくりとなったのである。
しかしながら、最後にひとつだけ苦情があるのである。
あまりにも寝心地がよくて爆睡してしまった私が、朝、起き上がろうとリクライニングを起こそうとしたとき、モーター音がギーギーギーギーと燃え尽きそうな音を発したのである。機材が古いためだと思われるのであるが、いや、きっと機材が古いからなのであろうが、リクライニングが上がらないのである。
私が体を起こした後はリクライニングはちゃんともとに戻ったのであるが・・・・・・
デブはこのクラスには乗れないようである・・・。
2006年9月23日 00:00