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2006年10月28日
人口密度について

先日、東京出張中にうちの奥さんからメールが入ってきたのである。
内容は「平家にまた新しい家族が増える」というものだったのである。
すぐさま電話をして事情を聞いたのであるが、そんなことを急に言われても・・・今後のことをいろいろと考えるとちょっと憂鬱になってしまう。
確かに、うれしいといえば、うれしいのである。しかしながら、いろいろと困ったこともあるなぁと考え込んでしまうのである。

メールをくれた日、うちの奥様は子供たちの塾のお迎えに行ったのである。
子供たちを車に乗せ、我が家に向かうその途中に一匹のネコが道路の真ん中で車にひかれて死んでいたのである。
危うくその上をひきそうになったのであるが、かろうじて車を停止させたうちの奥様は、このままだと明日の朝にはこのネコの死骸がペチャンコになってしまうと思い、猫の死骸を道路の端に運んでやろうと思ったのである。

息子がネコの様子を見に行き、両手に抱いたところ、なんとそのネコはまだ生きていたのである。
ネコのカーストが高い平家のことであるから、奥様と子供たちはこのネコを連れてすぐさま病院に駆け込んだのであった。

ところが、病院の先生が言うのである。
「最低限の治療はしたとしても、このネコが野良猫ならば、保健所に言うしかありませんねぇ・・・」
ということはせっかく助けたこのネコが死んでしまうということではないか?
それではあまりにも意味がない。ここで見つけたのも何かの縁と思って、我が家で飼うことにしたというのである。

もちろん、この決断に関しては何の異論もないのであるが、我が家には困った事情があるのである。
それは、ニャンコー密度のことなのである。

「ニャンコー密度」とは何ぞや?

これは、私が長年とてもたくさんのネコを我が家で飼った経験から割り出したものなのである。

我が家では最高17匹のネコが暮らしていたことがあった。
我が家は基本的に田舎なので、迷いネコや迷い犬が多数訪問してくるのである。
不憫に思ってついついエサをやると我が家に居つく、そしてエサを与え続けるとなついてくるのでこれがまたかわいい。かわいいのでついつい飼ってしまう。よってネコが増えていく・・・ということになるのである。

しかしその頃は、ネコの家出や交通事故で死ぬことがとても多かったのである。
どうやら、家の中にもネコはネコなりのなわばりがあるらしく、一軒の家で飼えるネコの数は、ネコの都合で決まっているらしのである。

ネコを多数飼っていたころには、多いときで年に4回も交通事故にあっていたのである。ひどいケースでは、両足を骨折したことがあった。
結構たいそうな複雑骨折であったため、足の骨を超合金の金具とボルトで接続しなければならない手術をしたのである。
しかしながら、この金具は一本6万円もしたのである。2本で12万円、さらに入院日数24日。しめて入院代・29万円也。
何度も貧血を起こしそうになったのである。
しかしながら、それで命が救われたのだから、と自分をなぐさめていたところ、なんとこのネコが家出をしてしまったのである。
せめて、金型は置いていってもらいたかった・・・

また、ネコにはネコ内でカーストがあるようで、カーストの低いネコ(主にケンカが弱いネコ)は、よく家出をしてしまうのである。


我が家には現在4匹のネコがいるのであるが、4匹になってからの3年間というもの、家出をするネコもおらず、交通事故にあうネコも一匹たりともいないのである。
カースト4位の4匹目のネコはたまに2?3日のプチ家出をすることはあるが。

ということで、私は平家のニャンコー密度を3.7匹と割り出したのである。
つまり、今の平家では、4匹がかろうじて住めるという状況なのである。


そこにこの度、新しく、ニャンコがやってくるのである。
私は基本的にネコ好きなので、新しくネコを飼うのはとてもうれしい、わが子も血統なのかネコ好きで、新しいネコをとても喜んでいるのである。

ということで出張を終え、自宅に戻った私はとるものもとりあえず、入院中のネコを見舞ったのである。
そして、どうせ飼うのなら、と先生についでに予防接種をお願いしたのであるが、先生は言うのである。
「してあげたいのは山々なのですが、無理かもしれません・・・」
先生は暗い表情をするのである・・・
「交通事故のケガがひどくて助からないのですか?」と私が聞いたところ、「いえ、見違えるくらい元気になって、ほぼ完治したのですが、どうも長年の野良猫生活をしていたようでまったく人になつかないのです。本来なら、血液検査をもう1回したいところなのですが、暴れ回ってそれもできないので・・・」
と言われたのである。

すこぶる元気になったのはうれしいのであるが、たいへんな状況のようである(^_^;
その後、入院中のネコとご対面したのであるが、なんとも人相、いやニャン相が悪いのである。
しかも、本能的にカーストの上下を察知しているかのごとく、高いところから私を見下して、「は?!」と私を威圧するのである。
なんともかわいげのないネコである。

その後、3日ほどで退院し、このネコを我が家に引き取ったのであるが、このネコを我が家に運ぶためにネコカゴに入れるまでがまたたいへんだったのである。
私は軍手を2枚着用してネコを何とかネコカゴに移そうとしたのであるが、両手は血まみれになってしまったのである。
しかも、入院代は負けていただいたにもかかわらず33,000円。
おかげで私の今月のおこづかいは、2,000円しか残っていないのである。

今回のことを契機にふと平家の人口密度に関しても考えてみたのである。
私が出張から家に帰って居間でくつろいでいると、息子が「そこは僕がいつも座るところだからどいてくれ」と言うのである。
仕方がないのでどいたところ、娘が「そこは私の通路になっているからどけ」と言うのである。
仕方なく私のベッドで本などを読んでいると、ネコが「寝れないからどけ」と私に訴えるのである。
私はいったいどこに行けばいいのあろうか?

居場所がないのである。

我が家では、ニャンコー密度4匹で3.7、人口密度4人で3.1くらいであると確定したのである。

2006年10月28日 00:00