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2006年10月14日
デブの楽園

私はマニアな凝り性である。
肩も凝るけど、好きなことにはめっぽう凝ってしまうのである。

去年まで激熱であった温泉熱が、今年の夏ヨーロッパ旅行に行って以来冷え続け、最近は冷泉のごとくさめてしまっているのである。
とはいえ、まだ週に4回は温泉に通っているのであるから、回数でいえばそのへんの新婚さんには負けていないつもりである。
しかし、去年のように1泊2日で14湯入っていたころに比べれば、さびしい限りである。

そして、今私がお熱なのは、世界旅行である。
とはいえ、マイルも使い果たし、スケジュールもタイトであるゆえ、海外旅行に行ける予定はまったく立っていないのであるが、火がついてしまったものは、何人たりとも止めることはできないのである。
よって、私はヨーロッパ中の国々をガイド本やその他旅行記で制覇し、その後は中近東からインド、東南

アジアまで旅してしまったのである。もちろん、書籍での旅行なのであるが。
今は、北アフリカ、チュニジア、アルジェリア、モロッコを旅行中である。
私のような肉体をもたずに旅行したい旅人にとって、旅行記は自分が旅をしている気分になれるのでとてもありがたいのである。
地球の歩き方や世界地図を広げながら旅行記を読むと、とてもリアルに魂の空想旅行が可能となるのである。

こんな話を受講生としていると、「じゃあ、もし仮に行けるとしたらどこに行きたいですか?」という質問をよく受ける。

しかしながら、行きたいところと行けるところは違うのである。
昔からチベットのカイラス山に行ってみたかった。
まるでこの世の果てのような景色とヒマラヤ山脈の高い山の頂が絶景であるこの地は、何とも私の魂を揺さぶるのである。
しかしながら、この地に行ける可能性はほとんどないのである。

昔はチベットにのラサ行くのはなかなか中国政府の許可がおりなかったのであるが、今やパックツアーでも行ける。
さらにそこから1500kmほどあるカイラス山に行くには、中国人になりすましたり、つかまることを覚悟でビザなしでしか行けなかったのであるが、最近ではこんな僻地まで行けるツアーまで出ているのである。
ということは、暇と金さえあれば行けるような感じなのだが、私にはどうしても行けないのである。
なぜなら、チベットのラサは、標高4000mもあるのである。さらに、カイラス山に行こうと思えば、4500mから5000mの峠を越えなければならないのである。
デブな私は死にに行くようなものなのである。100%高山病になってしまうのである。
私がこの地にいけるかどうかの確率は私の体重を75kgにできるかどうかということとまったく同じことなのである。
よって、今世ではあきらめた。

実際に行けることころでは、トルコなんかに行ってみたい。
この地は、温泉が国中にあったりするのである。
しかも、世界地図を見ていただければわかるのだが、トルコはエーゲ海沿いにあるのである。
エーゲ海というと普通は、ギリシャのアテネから空路で入るか、クルージングで回ることが多くパックツアーも圧倒的にギリシャ経由であるが、エーゲ海のサントニーニ島やミコノス島は、トルコのイズミールから船で結構近いのである。
いずれの日かトルコに行けるならば、トルコで温泉三昧をした後、船でエーゲ海に向かい、ジュディオングの「魅せられて」を歌いながら旅をしたいのである。

さて先日、いつものようにベトナムの旅行記を読んでいたところ、すごいことが書いてあったのである。
ベトナムの美容室はとってもいたれりつくせりなのだそうである。
美容室であるから、髪をカットしてもらい、シャンプーをしてもらうのは当然であるが、日本では禁止されている耳の中の産毛まで剃ってくれ、頭のマッサージを15分、顔のマッサージを15分、肩と手をさらに15分マッサージしてもらえるらしいのである。
しかも、それだけしてもらって800円?1000円らしいのである。
このうわさを聞きつけた旅行記の著者が、角刈りであるにもかかわらず、ホーチミン市のとある美容室に出かけたところ、噂どおりのサービスを堪能したのであるが、さらにスペシャルサービスがあったらしいのである。

この著者は、100kgを越えるデブなのであるが、その美容室の若い女性従業員全員から、胸をもまれたらしいのである。
はじめはマッサージかと思ってもまれていたらしいのだが、次から次へと違う従業員がやってきて、キャッキャキャッキャと胸をもむらしいのである。
ベトナムには90kg以上ある男性がほとんどいないので、男のくせに胸があるのが珍しいらしく、もみまくるそうなのである。
その著者は、その美容室の従業員が連れてきた近所のおばちゃんからも胸をもまれ、そのおばちゃんには拝まれたらしいのである。

私も胸をもまれて、拝まれたい!!

この話をうちのオデブ受講生に伝えたところ、皆一様に目をらんらんと輝かせるのである。このときほど、自分がオデブであったことを誇りに思ったことはないような表情なのである。

ベトナム・・・このようなすばらしいオデブの楽園であったとは・・・

メンタルのおデブな男性受講生を連れて、かの地にぜひとも言ってみたいと考えている今日このごろなのである。


2006年10月14日 00:00