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2006年10月 7日
巌流島の決闘

私の仕事の内容は、みなさんよくご存知だと思うが、カウンセリングをしたり、講座をしたり、ヒーリングワークでトレーナーをしたりすることである。
もちろん嫌々ながら、社長業もちょっぴりはやっている。

色んな仕事の中でも、ちょっぴりうれしい仕事が講演なのである。
私が講演会を引き受けると、当然ながら事務所を空けることになるし、そのしわ寄せがほかの日にずれ込んで、ずれ込んだ日の仕事をする日はとても忙しくなるのである。
よって、偉そうにも講演の仕事は選んじゃったりするのである。
選ぶ基準の第一は、大都会での講演ではないこと。
余程ギャラがいい場合は引き受けるが、そうでない場合は必ずほかのカウンセラーにふる。
地方の講演の依頼の場合は、講演地の近くによい温泉があれば引き受けるが、なければこれまたほかのカウンセラーにふってしまう。

その温泉地が特に、すばらしい温泉であったり、私がまだ行ったことのない温泉地である場合、交通費にもならないようなギャラでも引き受ける。
もちろん「カウンセリングを世に広めるためだ」とうちの奥さんには言い放つ!

都心部での講演でも、普段から不義理ばかりしている人に頼まれると嫌とはいえず引き受けることもある。
担当者が若い女の子で上手に甘えられたりすると鼻の下をのばしつつ引き受けてしまい、あとで声だけ美人だったのか・・・と頭を抱えたことも何度もあるのである。

講演内容もさまざまで、講演だけで帰れる場合もあるし、希望者にカウンセリングをせねばならないような講演会もあるのである。
昔ある学校で、講演をした後、カウンセリングの時間が3時間ほどとってあり、希望者にカウンセリングをするという講演会があったのである。
講演前にカウンセリングの希望者を募ったところ、2名しかいなかったので、当日再度募集しても若干しか増えないであろうと主催者は考えていたのであるが、講演後希望者を募ったところ、なんと希望者が25名もいたのである。
そこで、主催者は平等をはかるために持ち時間の180分を単純に25人で割ったのである。
一人あたり、約7分。
「ではみなさんお一人7分でお願いします」と伝えて、整理券を配り、順番を決められてしまったのである」
私は、7分でいったいどんなカウンセリングをすればよいのであろう。
簡単な質問を聞くだけでも5分は最低かかるのである。残り2分で私に何をしろと言うのか・・・カウンセリングというよりもほぼ「お告げ」のようなものなのである。
しかしながら、実際には一人7分で終わるわけにもいかずのびのびになってしまい、5時間カウンセリングをして頭がオーバーヒートしてしまったようなこともあったのである。


さて先日、いつもあやしい講演を企画してくれる「人体の謎研究所」という会社から講演の依頼があったのである。
会社名もあやしいが、講演内容もいつもあやしいのだが、けっこう何度も講演させてもらっているである。
今回の企画は、私以外にあと2名の講演者がいて、3名で講演をするという話である。
しかも、残りの2名のうちの1人が、なんと文化庁長官の河合隼雄氏なのである。
心理学マニアの方は、よくご存知だと思うが、河合隼雄氏はユング心理学の第一人者であり、実力、知名度とも業界で彼を知らない人はいないという超有名人かつ、文化庁長官なのである。
これには、私の下心が動いてしまうのである。
何とかこの機会にコネを作っておき、将来紫綬褒章なんかをもらっちゃったりできないかなぁなどと考えたのである。
普段のお付き合いもあるし、何より私の下心をくすぐるこの企画、すぐさまスケジュールを調整し、お引き受けしたのであるが、な、なんと河合長官が倒れられてしまったのである。

というわけで、講演の目玉商品がいなくなり、急遽、私ともう一人の講演者の一騎打ちになってしまったのである。
もう一人の講演者も、結構有名人である。私も彼の名前は知っていたのであるが、お会いしたことも、写真を拝見したこともなかったのである。
ところが、主催者から届いた講演会のチラシには、「平準司VS日本メンタルヘルス協会代表・衛藤信行」とデカデカと書かれているのである。
しかも、パンフレットには私の写真と衛藤氏の写真が横並びで載せられているのである。
写真を横並びにされると私はちょっとつらい。
この衛藤氏、なかなかの男前なのである。
しかもひげなんかはやしちゃったりして、男の私から見てもかっこいいのである。
どう見ても見た目は完敗なのである。

しかしながら、私には鍛えに鍛え上げた話芸があるのである。
いかにイケメン男だとはいえ、「話芸では私にかなうはずなどないわ!」と高をくくっていたところ、衛藤氏を知っているうちの受講生によると、この先生はイケメンぶりよりも話芸が非常に達者で有名な人らしいのである。
見た目は勝負にならないのは仕方がないにしても、話芸で負けてしまっては私は立つ瀬がないのである。
講演会のネタの数とウケのよさでは少々鼻高々だった私も、今回ばかりは緊張しているのである。

いつもは、講演会当日に主催者に「何をしゃべったらいいの?」と確認し、適当に持ちネタをしゃべり、時間ちょうどに終わることをモットーにしている私なのだが、今回はネタをくっているのである。

午後にはパネルディスカッションもあるので、いやがおうにも話芸の質が問われるのである。
「おやじギャグは控えたほうがいいですよ」とか「今回だけは下ネタ厳禁ですよ。さもなければ、どんどん敵に塩を送るようなものですから」などなど事務所では、かなり厳しい指導を受けている今日このごろなのである。

10月29日(日)、神戸のハーバーランドにある産業振興センターが私の巌流島になるのである。
開演は11:00からなので、お暇な方は、上品でエレガントになった私を見に来ていただくようお願いする所存でございまする。


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2006年10月 7日 00:00