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2006年12月23日
SOS! 我、タクシー無賃乗車ニ成功セリ

暮れも押しせまり、事務所の「罰金箱」にお金がみるみる貯まっていく今日このごろですが、 みなさん、お元気ですか?

先日、東京の講座に向かうため、東京の事務所の近くで私はタクシーを待っていたのである。
東京の講座はいつも五反田のゆうぽうとを利用する。
しかし、会議室のフロアが12月中は改装工事のため、使えなくなってしまったのである。
よって12月だけ、夜の講座は大井町駅前にあるアワーズイン阪急の会議室を利用させていただいているのである。

東京の事務所は最寄りの駅からとても遠い。
大井町は品川から一駅で行けるのであるが、うちの事務所からはタクシーでも1,000円ほどで行けるので、ついついタクシーを使ってしまうのである。

タクシーはけっこう通るのであるが、フロントガラスの横に「空車」と表示されているタクシーがなかなか通らないのである。
しかし、5分ほど待っていたら、「空車」の代わりに「SOS」と表示してあるタクシーが通ったのである。
私は目が悪いので、その表示がよく見えず、「なんだ、こりゃ?」と思いながらもいちおう手を上げたところ、なんと、そのSOSの表示をしたタクシーはちゃんと停まってくれたのである。
そして、大井町の駅前につけてもらうよう運転手さんにお願いし、事務所に連絡することがあったので、しばらく携帯電話で話していたのである。

乗車してから3分後くらいであろうか、事務所との連絡も終わり、タクシーの運転手さんに話しかけてみたのである。
「運転手さん、フロントガラスの横にある表示が、空車の代わりにSOSになってたんですけど、これってなんなんですか?」と。
すると運転手さんは「え、前のタクシーですか?」とボケてくるのである。
「いえいえ、このタクシーですよ」
「え、空車ってなってませんでした?」
「ええ。SOSになってましたよ」
私も47年間、いろいろなタクシーに乗ったが、SOS印のタクシーに乗るのは初めてだったので、素朴な疑問としてただ素朴に聞いてみたのである。

ところが、である。
運転手さんは急にあわてはじめ、「すいませんが、ちょっとクルマを停めて、確認させていただいていいですか?」と聞いてきたのである。
もちろん「いやです」とは言いにくい雰囲気だったので、「いいですよ」とよい人のフリをしたのである。
当然ながら、いまだにSOSと表示されたままなのである。

ところが、である。
第一京浜と呼ばれる幹線道路でむりやり運転手さんがクルマを停めたものだから、私のタクシーの後方15メートルぐらいに白バイのおまわりさんがバイクを停めたのである。
「あーあ、こんなところに急にクルマを停めるから、バイクのおまわりさんに目をつけられるじゃないの」
こう思ったのだが、なぜかおまわりさんはバイクを停めただけで、降りてわれわれのタクシーのほうに近づいてはこないのである。

ところが、である。
その間、運転手さんは大あわてでドタバタとしているのである。
「???」
なにゆえか、運転手さんは顔面ソーハクなのである。
「どうしたの?」
と聞いてみたところ、運転手さんはとんでもないことを言うのである。
「お客さん、すいません。
このマークは、タクシー強盗に遭ったときに使うマークなのです。
どこかボタンを押し間違えちゃったみたいなんですけど、それがどこかわからないのです・・・」

「ふーん」とのんびり構えていたのであるが、さらに運転手さんはとてもステキなことを私に伝えてくれたのである。
「このマークは、フロントに表示されると同時にタクシー会社から無線で警察に届出があるんですよね。
そして、たぶん・・・、もう少しすると、タクシー会社から暗号無線が飛んでくるはずなんだけどなぁ」
そこで、私は運転手さんに言ったのである。
「すいませんけど、うしろに白バイのおまわりさんが停まってるんですけど・・・」
そのときはじめて運転手さんも気づいたようで、白バイのおまわりさんのほうに事情説明のために向かってくれたのである。

どうやら、この運転手さんは私を乗せるだいぶ前からこのSOS表示を点灯していたらしい。
さらにタクシー会社から暗号無線が入ってきたにもかかわらず、そうとは知らず、無視をきめつづけていたので、白バイのおまわりさんが探索のために派遣され、私が乗ってすぐぐらいにこのタクシーを発見した模様なのである。
おまわりさんいわく、急に停車したので、「タクシー強盗か!」と身構えたようなのであるが、なにか様子がのんびりしているので、今後の対応をどうするか考えていたらしかったのである。

ということは・・・。
私はタクシー強盗になってしまったということなのである!

もちろん、この日、大井町までのタクシー代は無料にしていただいたが、どうせここまでしてもらえるならば、パトカー4?5台に取り囲まれ、刑事さんに拳銃を突きつけられたかったものである。
そうなったとしたならば、もっと大々的にこのブログを書けたものを・・・。
なんと残念な・・・。

今回、初めてタクシーにSOS機能なるものがついていると知ったわけだが、そういうことなので、いま、タクシー強盗を考えていらっしゃる読者のみなさんは、ゆめゆめ、そういうことをしようとは考えられぬよう忠告させていただく。

もしも、みなさんがタクシーに乗られることがあるならば、このSOS機能について運転手さんに確かめていただいたらよいかと思う。
ただし、ただでタクシーに乗りたい方があれば、SOSマークのタクシーを停めることをおすすめする。

2006年12月23日 00:00