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2007年4月28日
ちょい太オヤジの苦悩

仕事で日本全国、けっこういろいろなところに行くのである。
ほとんどがホテルと講演会場の往復で終わってしまうのであるが、たまにその地にう
ちの受講生がいる場合、おいしいものを食べに連れていってもらったりするのであ
る。
もちろん、ワリカンで、なのだが。

最近、博多に行くことが多い。
博多といえば、モツ鍋なのである。一度食べて以来、やみつきになってしまったので
ある。
福岡にはうちの受講生がけっこういるし、福岡でのワークショップなどもあるので、
夜はおいしいものを食べに連れていってくれるのである。

以前、福岡でワークショップをしたときも、地元のみんなが気を使ってくれて、おい
しいものを食べに連れにいってくれたのである。
「平さん、好きなものを食べてくださいね」と言われ、メニューを手渡してもらった
のだが、ビビッたのである。

なぜならば、高かったからである。
私はタラの白子が大好きである。
しかしながら、その店では1,280円もするのである。

われわれが大阪でよく行く居酒屋は、基本的にすべてのメニューが360円なのである。
そして、その店にはプレミアム・メニューというものがあり、これは一律720円なの
である。
このプレミアム・メニューを頼むのには、かなりの勇気がいる。

こういう食生活に慣れている私が、好物の白子ポン酢とはいえ、いきなり1,280円と
は正直、頼みにくい。
しかしながら、「きょうはワリカンだ」という悪魔のささやきに負けて、ついつい頼
んでしまったのである。

しかしながら、その場所には大阪から来たカウンセラーやアシスタントが数人おり、
どうもその人たちすべてに悪魔は囁いたようで、各自がけっこうおいしそうなものを
どんどん頼みはじめたのである。
さすがに、ウマかった。堪能した。そして、モツ鍋も絶品であった。

ほろ酔いかげんでお会計を頼んだところ、なんとワリカン一人7,000円になってしま
ったのである。
全員、「‥‥‥‥‥」。
さきほどまでのスーパー・ハイテンションから急降下し、全員、奈落の底に落ちたの
である。
その居酒屋さんからの道のりでは、だれもなにもしゃべらず、無言のまま、その日は
ホテルの部屋に戻ったのであった。

話は変わるが、メンタルでは講演するたびに、いろいろなアンケートをお客さまに書
いていただく。
先日の福岡の講演のときにも書いていただいたのであるが、そのなかで、事務所はお
客様にこういう質問もした。

「事務所では、平のファッション・チェックを実施しております。本日の平はいかが
でしたか?」
そして、それに対して、(1)イケていた (2)まあまあ (3)ふつう (4)イマイチ
 (5)ダサかった、という選択肢があった。

大阪に帰ってからアンケートを見てみると、ほとんどが(4)の「イマイチ」で、たま
に(3)の「ふつう」があり、一部の関係者が書いたと思われる同情票で(1)の「イケて
いた」が2票だけあったのである。

事務所では、このことを企業存続に関わる一大事だと認識したようで、私は事務所か
らとある本を持たされ、それを熟読しておくようにと言われたのである。
その本とは、「LEON」という、オシャレな「ちょい悪オヤジ」を養成するための
雑誌なのである。

この雑誌のコンセプトは、「必要なのは、お金じゃなくてセンスです」なのだが、な
にかというと特集のテーマが「モテるオヤジは・・・」、「小僧に負けるな・・・」
なのである。
ということは、この雑誌の読者のほとんどはモテないオヤジで、ふだんからいつも小
僧に負けていると認識しているということではないだろうか?

ちなみに、最新版の6月号のテーマは、「ちょい枯れゆえの高等テク!」。
たしかに、枯れている自覚はある。

特集のなかに、「モテるデコ出しマーブル」というのがあり、小僧と差がつくオヤジ
の武器は「枯れ感」で、そのために堂々とデコを出せと書いてあるのである。
そんなことぐらい、私は生まれて以来、ずっとしてきたのである。
私はいままで、デコは出しっぱなしで生きてきたのであるが、モテたためしはないの
である。

さらに、である。
「衿のボタンをわざと開け、セクシーさを演出しろ」と書いてある。
私なんか、首が太いので、ほとんど開けっぱなしで生きてきたのである。
「ボタン、飛びましたか?」と言われることはあっても、セクシーだと言われたため
しはないのである。

さらに、「LEON」6月号の180ページには、「モテる別格オヤジはショートパン
ツを着こなし、少年ぽさをアピールせよ」と書いてある。
事務所から「平さん、LEON、ちゃんと読んでますか?」とたびたび聞かていたの
で、4月のけっこう暑かったある日、ショートパンツで事務所に赴いたのである。

ところが、である。
評判がすこぶる悪いのである。
「LEON」に書いてある通りにしただけなのであるが、少年ぽさをアピールすると
いうよりも、「虫取り網とカゴが似合いすぎる」とバカにされたうえ、「それではま
るで裸の大将ではないですか」とまで言われたのである。

あてにならんぞ、「LEON」!
私の「ちょい悪ファッション」の苦悩は続くのである。

2007年4月28日 00:00