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2007年6月 9日
温泉大図鑑 Part 2

ネタ切れゆえ、苦しまぎれに書いた温泉ネタなのに、コメントがいつにも増して多い
ではありませんか。
こんなことならば、温泉ブログにしてしまおうかと考えている今日このごろです。

うちの受講生から、「よい温泉ありますか?」と聞かれて、私がよくすすめるのが重
曹泉である。
とくに純重曹泉と呼ばれる温泉は、とてもヌルヌルとしていて気持ちがいい。
別名「うなぎ湯」と呼ばれており、まるでローションにつかっているかのような入浴
感があり、どんな人にも「こりゃー、気持ちがよいわい」と感じられる。

ある意味、ものすごいカルチャーショックを受ける。
お湯といって、われわれが基本的にイメージする感覚を、根底から覆されるような気
持ちよさなのである。

前回、アルカリ性の高い温泉はツルツルすると書いたが、重曹泉はヌルヌルするので
ある。
そして、不思議なことなのだが、入浴中、あれだけヌルヌルしていても、入浴後はさ
っぱりとしていて、まったくベタつかないのである。

温泉分析表を見て、うなぎ湯を見つけるコツは、炭酸イオンといわれるCO3の値を見
ることである。
この値が30以上あることが望ましい。
さらに成分総計が500以下であれば、かなりのヌルヌルが期待できる。

東北新幹線で仙台駅の一つ青森寄りは古川駅であるが、ここから30分ぐらいのところ
にある鳴子温泉や、その隣にある中山平温泉は、このうなぎ湯で有名である。
関西方面では、岡山県の湯原温泉の近くにある真賀(まが)温泉は特筆ものである。
また、熊野の本宮大社の近くにある女神の湯は、とても不気味な温泉であり、かつ循
環風呂で一般の家のお風呂のような温泉なのだが、ヌルヌル度ではピカイチである。

うなぎ湯は「ツルツル温泉」などの別名でも呼ばれ、日本全国にけっこうあるので、
一度、入ってみられたらよいかと思う。

一方、温泉入浴の仕方でとても気に入っているのが、「あわせ湯」というスタイルな
のである。
これは、私の知っているかぎり、那須温泉の「鹿の湯」と草津温泉の「大滝の湯」の
2カ所にしかない。

ここではまず、のぼせ防止のために熱いお湯を100杯ぐらい頭に浴びる。
鹿の湯には6つの浴槽があり、それぞれ40度、42度、43度、44度、46度、48度と湯温
が異なる。
これを、ぬるい順に3分ずつ入り、しばらく休んでは、次の浴槽に入るのである。

そうして入っていくと、46度ぐらいまでの温泉ならなんとか入れるのである。
さすがに48度の湯に入れるのは地元のおじさんぐらいで、われわれは入れても30秒が
限界である。

しかし、猛烈に効くのである。
入浴後はこの私ですらとても体が軽くなり、空を飛べるのではないかと思うほどなの
である。
うちの某カウンセラーは、この温泉に入って腰が抜けた。
何人かの受講生にも紹介したが、非常に好評である。
一度お試しあれ。

草津や那須は遠すぎるといわれるみなさんが、もっと簡単に体験できる入浴法として
は、「温冷入浴法」というものがある。
温かい普通の温泉と冷たい冷泉に交互に入浴する方法なのであるが、これは効くし、
回りやすい。
よく、サウナに入ったあと、水風呂に入浴される人がいると思うのだが、あれと同じ
ようなものである。
冷泉でなくて、水風呂であってもかまわないのである。

温めて緩和した体を冷泉につけると、ものすごく緊張する。
そうすると、とくに足のふくらはぎのへんがものすごく絞り込まれるために、体の中
に心臓が2個できたような効果が生まれる。
全身入浴するのが不可能であれば、膝から下だけつけても効果はあるのである。
そして、冷泉で緊張させては、温泉でほぐすことによって、体も神経も緊張と緩和を
繰り返し、入浴後はものすごく眠くなる。

関東方面では、新宿の十二社(じゅうにそう)温泉や、浅草の蛇骨湯(じゃこつゆ)
などで体験できる。
関西方面では、和歌山県の花山温泉や神戸市の灘温泉、または篠山(ささやま)の今
田薬師(こんだやくし)温泉で体験できる。
ほかにも、熊本県の赤川温泉や島根県の千原温泉、山梨の下部(しもべ)温泉、増富
ラジウム温泉の不老閣などが私のお気に入りである。
なお、温泉でなくとも、近くの健康ランドで水風呂などを使い、実践されても同様の
効果はあります。

ちなみに、冷泉や水風呂に入るときは、できるだけゆっくりと入浴することをおすす
めします。
体験してみられたらわかると思いますが、冷泉や水風呂に入るときのほうが血圧は上
がりますので、高血圧の方にはおすすめはいたしません。

なかには、「すぐのぼせてしまうので温泉は苦手なんです」という方もいらっしゃい
ますが、温泉入浴のポイントは、温泉につかっていることではなく、体を温めたあ
と、いかに湯船の外でリラックス状態で過ごせるかということなのです。

温泉に入ってのぼせてしまう人は、ほとんどが湯船につかりすぎているようです。
あまり長く入浴せずに、そこそこ温まったら湯船から出る、これを何回も繰り返すほ
うが体にはよいと思います。
また、温まりすぎたら、ぬるいシャワーなどで体を冷やし、クールダウンすることも
おすすめです。

これから夏に向けては、重曹泉がおすすめです。
重曹線は別名「冷えの湯」と呼ばれ、毛穴の塩分やゴミをとってくれるので、風呂上
がりがとってもスッキリし、体の熱を発散してくれます。
夏の暑いときに、シャワーを浴び、部屋に帰ってくると、とても涼しく感じられるこ
とがあると思いますが、あの作用を強化してくれると考えるとよいかと思います。

一方、「温まりの湯」とも呼ばれる食塩泉は、毛穴に塩が付着し、体の熱を発散しに
くくしますので夏はつらいものがありますが、冷房で冷えすぎた体を温めるにはとて
もよいでしょう。

パート3に続く。

2007年6月 9日 00:00