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2007年7月21日
未知との遭遇

6月29日。
明日、熊本で実施される講演会に向かうために、私は飛行機に乗ったのである。
しかしながら、講演会は熊本であるにもかかわらず、私の乗った飛行機はなぜか鹿児
島行きなのである。
不思議なことである。

おかしいなぁ。
明日、熊本で講演なのに、なぜ飛行機は鹿児島に行くのだろう?

これから夏に向けて、なぜか九州の仕事がとっても多いのである。
6月30日 熊本、7月7日 福岡、8月18日 福岡、そして、9月の福岡での2日間のヒーリ
ングワークも私の担当なのである。

ほかの地域への出張と違い、九州方面の出張には誘惑が多い。
それは、九州は温泉の宝庫だからなのである。

私は当初、7月7日の福岡の前日のスケジュールを、事務所には内緒でこっそりと空け
ておいた。
ついでに6月29日の熊本の前日のスケジュールも空けておきたかったのであるが、朝
に東京で打ち合わせがあったのである。
よって、7月6日の日に温泉三昧を計画したのである。

しかしながら、6月の最終週に入り、事務所から鬼のような電話が入ったのである。
「7月6日、スタッフミーティングを朝10時からしますので、よろしく」と。
たぶん、彼らはタタミの上では死ねないと思う。

しかし、である。
温泉の神は私を見捨てなかったのである。

6月29日の打ち合わせの前日、なんと先方から「日程を変えてほしい」という連絡が
飛び込んできたのである。
変えますとも、変えますとも! 喜んで変えますとも!

その結果、急きょ、この日、私は温泉めぐりに行くことにしたのであった。
翌日は午前中に熊本に入りたかったので、数ある鹿児島の温泉の中から、西部地域の
温泉を回ることにしたのである。

鹿児島にはいかに温泉が豊富であるかをあらわすかのように、鹿児島空港の中には、
いきなり足湯なんかがあるのである。
私は空港でレンタカーを借り、これから夏に向けての水虫予防の一環として、栗野岳
温泉に向かったのである。

ここは、pH2程度の酸性泉であり、入るだけで体中のばい菌がほぼ死滅する。
あったかくなり、そろそろ活動しようかなどと悪だくみをしていた、私の指の端っこ
に棲んでいる水虫たちなんかは、イチコロなのである。 フフフ・・・・・・。
6月の台湾旅行でも強酸性泉のお湯に入っているので、7月中は水虫くんともお会いす
ることがなかろう。

しかしながら、酸性泉はサンポールにつかっているようなものなので、すこぶるお肌
に悪い。
美肌自慢の私としては、あせもがこわいこれからの季節、このまま放置するわけにも
いかないので、きょうの残りの3湯は、すべて高アルカリ泉にしたのである。
pH9.5の単純泉、かつ炭酸イオンが高い温泉を選んだのである。

前に、このブログの「温泉大図鑑」の中でご紹介したのであるが、成分総計が
500mg以下の単純泉で、かつ炭酸イオンが高い温泉は、「うなぎ湯」とよばれるトロ
トロのローションのようなお湯になる。
この3本立てにチャレンジするという、お肌ツルツルピカピカプランなのである。

さらに、その3カ所のうち2カ所は、足元湧出泉とよばれる、湯船の底からプクプクと
お湯が沸き出す最高の温泉なのである。
ちなみに、この2つは、白木川内温泉と湯川内温泉という。
ガイドブックにもほとんど載っていないような、とてもさびれた一軒宿の秘湯である
のであるが、体中、泡まみれになるほどの絶品のヌルヌルトロトロうなぎ湯であっ
た。

お湯は絶品で、まったくもってなんの不満もなかったのだが、困ったことが一つあっ
た。
なにぶん、山の中の秘湯めぐりだったために、ルート上に飲食店はおろかコンビニ一
軒もないのである。

よい温泉に入ると腹がペコペコに空く。
だが、食い物がなにもないのである。

しかしながら、そんな中で唯一、「そうめん流し」というでっかいのぼりを見つけたのである。
食えるものならなんでもと思い、そのさびれた店に飛び込んだところ、人生で初め
て、「素麺流し機」なるものに出逢うことになったのである。

そうめん流しといえば、竹筒のようなものでそうめんを流すイメージがあるが、ここ
では客一人の私のためにそんなことはしてくれないのである。
ワタアメを作るような機械の中に水が張ってあり、その中をグルグルとそうめんが回
っているのである。
はっきり言うが、風情はまったくない。

この素麺流し機、鹿児島や熊本ではけっこう普及しているらしいのであるが、福岡の
人に聞くと、知らないということが多い。
もし、みなさんも鹿児島・熊本方面に行かれることがあったなら、ぜひともこの風情
のない素麺流し機でそうめん流しを体験していただきたいものなのである。

2007年7月21日 00:00