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2007年8月25日
つらい別れ

東京の事務所が引っ越しになるのである。
落ち着きのない社長のもとでは、事務所まで落ち着きがなく、引っ越しばかりしてい
るのである。

「東京の事務所がまた引っ越しするんだよー」と言うと、ほとんどの人から「で、家
賃の滞納は何か月だったのですか?」と聞かれる。
「いやぁ、入居してから一度も払えなくてねぇ」とボケることもできないのである。

いちおう、家賃は毎月、遅れずに払っていたのである。
前回、東京の泉岳寺の事務所からいまの北品川の事務所に移るときは、大家さんが頭
を下げにこられたのである。

30代後半まで独身であった息子さんが結婚するというのである。
その息子さんが結婚したとき用にとマンションを買っていらっしゃったようなのだ
が、その後ずっと結婚されず、「結婚しないのであれば、だれかに貸してしまおう」
と思われたらしい。
それで、われわれが入居したのであるが、われわれの“男女関係パワー”のおかげな
のか、ご結婚が決まったのである。
おめでたいお話なので、渋々ながら出ていったのである。

そして、いまの事務所に移ってまだ1年少々しか過ぎていないのであるが、また大家
さんから呼び出されたのである。
「すいませんが、甥っ子が結婚するもので‥‥」

大家さんにとってはおめでたい話なれど、われわれにとってはまったくめでたくない
のである。
しかしながら、結婚すると言われると、立場上、私は弱い。
そして、渋々ながら、また引っ越しなのである。

しかしながら、われわれの求めるカウンセリングルーム仕立ての建物は、東京といえ
どもそうそうないのである。
不動産屋さんにすごくいやがられながらも探しに探し回り、ようやく決まった物件
は、代々木上原の近く、“駒場東大前”というところにあるらしい。
「それって、どこ?」

どうも、渋谷からタクシーで1,000円ちょっとのところらしいのであるが、なにやら
行くのが不便そうなのである。
もちろん、われわれよりも、クライアントのみなさまにご迷惑をかけてしまいそうで
申しわけないのである。

しかしながら、行くところ行くところ、もれなく大家さんのお宅に結婚がついてくる
とは、なんとゲンのいい店子であろうか。
心配なことが一つあるとすれば、こんどの大家さんにも適齢期のお嬢様が一人いらっ
しゃるようなのである。

しかしながら、こんどの物件はカウンセリングルームが5つもとれるので、いままで
のように、「カウンセリングルームがいっぱいなので、予約が取れません」というこ
とは少なくなると思われる。
しかしながら、家賃はそれなり高くなってしまったのである。
額は伏せるが、泉岳寺のときの約2倍になったのである。

ひとえに大家さんたちの事情で、われわれはコロコロと転がりながら、東大前の物件
にやってきてしまったのであるが、宇宙はなにゆえ、われわれを東大前に引っ越しさ
せたのであろう?
このプロセスは、いったい、なにを意味するものなのであろうか?

昔、♪都の西北、早稲田の隣り?、という校歌を聴いたことがあるのであるが、うち
は♪東大の隣り?、なのである。
よって、早稲田より東大のほうが偉いので、あのバカボンのお父さまが出たと聞くバ
カ田大学よりも、うちのほうがちょっとは偉いのではないだろうか?
‥‥と、しょうもないことを考えたりするのである。

しかしながら、たいへん困ったことに、私が長年、東京の常宿として愛してやまなか
った蒲田の黒湯温泉付きの“ホテル末広”といよいよ別れねばいけないのである。
これは、ちとつらい。

色は黒いが、私の下着を洗濯してくれたり、愛想よくしてくれたりと、とってもよい
娘だったのであるが、いよいよ別れがやってきたのである。
私の事情などつゆ知らず、いつもニコニコと笑顔を向けてくれているのであるが、私
はどう別れを切り出せばよいのであろう?

「私に飽きたのね!」とか「どうせ、黒いお湯の私より、透明なお湯がいいんでし
ょ!」とか「どうせ、渋谷のこじゃれた今風のホテルがいいんでしょ!」などと、い
じらしくすねられたら、なんと答えればよいのであろう?

「永遠の別れではないよ。PIOでセミナーするときは必ず泊まるからね」と言って
なぐさめてやりたいのだが、ききわけてくれるであろうか?
「大井町のアワーズのときは来てくれないの?!」
「もちろん、アワーズのときも、アワーズイン阪急には泊まらず、必ず来るからね」
と言えば、安心してくれるであろうか?

さらに、せっかくなかよしになった御殿山のほか弁屋のおばちゃんとの別れを考える
と、もう、涙で、このブログは書けないのである‥‥。

ああ、つらい‥‥。

2007年8月25日 00:00