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2007年9月29日
見栄っ張りの末路

9月の3日間の東京のヒーリングワークが終わった翌日の火曜日、私はまだ東京にいたのである。
セミナー明けで身も心もボロボロになっていたのであるが、この日しかスケジュールがとれなかったので、研修生ミーティングがあったのである。
私にとってもきびしかったのだが、研修生たちはもっとしんどかったであろう。

そして、その次の日の水曜日、朝10時からとある法人との契約をしなければならない予定があったのである。この週は忙しかったのである。
本来ならば、担当者の方に東京の事務所に来ていただければよかったのであるが、お約束をしたときにはまだ東京の事務所の引越しがどれくらいできているかわからない状態だったので、どこかのホテルのロビーで会う約束をしていたのである。

話は変わるが、私は結構見栄っ張りである。
すし屋に行って松・竹・梅のコースがあると、資金的に余裕があるときには必ず「松」を頼む。資金的にきびしいときでも「竹」にする。
どうしても「梅」を頼めないのである。
別に私が「梅」を頼んだところでお店の人は何とも思わないのであるが、私が気にしてしまうのである。

そんな私に法人契約の担当者が言うのである。
「平さんの泊まっていらっしゃるホテルまで伺いますので、どちらに行けばよいですか?」
まさか、蒲田の末広に来ていただくわけにはいかぬであろう。
確かにロビーがあるにはあるのだが・・・
私はこの契約のためだけに新宿でホテルをとらねばならなくなったのである。
ところが、この日、新宿、渋谷のホテルはどのホテルも超満員だったのである。

しかしながら、こういうときのために、私の見栄のためだけにつくったアメリカンエクスプレスのプラチナカードがあるのである。
「お、すごいなぁ。平はプラチナカードを持っているのか?」と驚かないでいただきたい。
はっきり言おう!高い年会費を支払い、普通に遅れることなく決済していれば誰だって持てるカードなのである。
プラチナカードは、ゴールドカードより偉いのである。
しかし・・・私のこのプラチナカードの利用限度額はなんと、たった50万円なのである。
私がほとんど使ったことのないダイエーのOMCカードですら、一般カードにも関わらず利用限度額が100万円もあるのにである。
どうも、アメリカンエクスプレスはすごく調査能力があるようである。

ここのプラチナカードサービスデスクは、実によく働いてくれるのである。
「新宿で泊まりたいんですが、どこもいっぱいなんですよね。何とかなりませんか?」とお願いしたところ、実名は伏せるが、「昼寝をしている豚」というホテルの予約がとれるとのことであった。
略して昼豚ホテルと言っておく。
しかしながら、問題があるのである。
このデスクを利用するのは、私以外はきっとすごいお金持ちばかりなのであろう。
紹介されたのは、たぶん利用限度額など存在しないであろうすごいお金持ちがいっぱいのプラチナ会員さまのために契約しているエグゼクティブフロアの部屋なのである。

何が言いたいかというと値段が高いのである。
同じアメックスでも、普通のカードを持っていれば誰でも泊まれるセレクトプランであれば、1万円台後半で部屋が押さえられるのである。
そのことを知っていたのであるが、プラチナデスクのお姉さまには言い出しにくいのである。
そのお姉さまはが言うのである。
「昼豚ホテルの上層階の眺めのよいお部屋を用意できます。さらに客室に余裕がございますれば、無料でジュニアスイートルームにアップグレードも可能でございます。しかも、午後3時までレイトチャックアウトも可能でございます」と。
お?何とすばらしいプランなのであろう。
しかしながら、料金は3万円台なのである。
私の希望は、すばらしすぎるお部屋よりも、低層階で眺めがよくなくとも1万円台のお部屋なのである。
しかし、言い出せないのである。

そこで、私は考えたのである。
とりあえず、この部屋を押さえるだけ押さえておいて、ほかのホテルが見つかったらキャンセルすればいいやと。
その気づきは、まるで天使のささやきのようだったので、思いっきり見栄を張り、その部屋を取ってもらうことにしたのである。
その後、いろいろ探した結果、渋谷に何とか見栄を張れ、かつ料金もそんなに高くないホテルを見つけたのである。
そこで、アメックスのプラチナデスクに電話をし、何とか体のよい断り文句を言って昼豚ホテルをキャンセルしようとしたところ、お姉さまに言われたのである。
「誠に申し訳ございませんが、宿泊当日のキャンセルは、キャンセル料が100%かかります」

・・・ここで私は追い詰められてしまったのである。
この見栄っ張りの私が、それは痛すぎるとばかり、急に「じゃあ、やっぱり泊まります」と言うのもいかがなものであろう。
今まで精一杯はれるだけ背伸びをして張った見栄がもろくも崩れてしまうではないか・・・
しかしながら、「キャンセル料がかかろうが、用事ができたものはしょうがない。私にとっては、キャンセル料なんかどうってことないよ」とさらに見栄を張れるほどには太っ腹ではないのである。
仕方がないので、昼豚ホテルに泊まることにしたのである。

5年ぶりくらいの高級ホテル。
ところが、この昼豚ホテルにしたおかげで、ブログのネタが増えたのである。

以下、来週につづく


2007年9月29日 00:00