2007年10月27日
教育的指導について
東京出張の帰りの飛行機で、私の座っていた席の隣の隣にデューク更家氏が座ってきたのである。
「あっ、デュークさん、お久しぶり!」
「あっ、平さん、ホント久しぶりですねぇ。大阪のハートンホテル以来ですね」
「デュークさんモナコ帰りですか?今回は大阪で仕事?」
「えぇ、まぁ ところで平さんも出張帰り?」
などという会話は一切なかったのである。
昔、大阪の心斎橋で私が恋愛心理学講座をしていたとき、氏はうちのとなりで「ウォーキング」の講座をしていたのであった。
しかしながら、一方的に私が盗み見をしただけで、氏は私のことなどまったく知らないのである。(詳しくは「隣のデューク更家」参照)
しかし、同じような場所で講座をしていたにもかかわらず、えらい違いである。
さりげなく観察してみると、とても高そうな時計、すらりと伸びた足にお似合いのおしゃれな皮のパンツ、トレードマークの帽子・・・オーラがセレブである。
私が毛布をもらおうと、スチュワーデスさんをキョロキョロ探しているのに一向に目も合わせてもらえないにもかかわらず、氏は顔を上げただけでスチュワーデスさんが飛んで来るのである。
どうも、スチュワーデスさんは人を見る目があるらしい。
その後、伊丹空港に着いて、預けていた手荷物をもらおうとあのベルトコンベアの前で待っていると、氏も現れた。
ほぼ同時に荷物を取り、出口に向かうと、氏の到着を待っていたのであろうお付きの人が2名、すかさず氏から荷物を奪い取り、最敬礼での出迎えなのである。
一応、私も見栄をはってキョロキョロ周りを見回していたのだが、もちろん誰もいないのである。
私は東京からの出張帰り、羽田発11:30の伊丹行きに乗ることが多い。
すると、到着は13:00前になるので、腹が減る。
そして、お気に入りの「そじ坊」に行くのである。
ここは、伊丹空港の到着出口の横にある蕎麦屋さんである。
なぜこの店が好きかというと、わさびが本物のわさびだからである。
それをおろし金でゴリゴリするのである。
余ったわさびは持って帰れるのである。
お持ち帰り用のビニールも装備されており、ついつい喜んで持って帰るのである。
ところがである。我が家でもそうそうわさびを使う料理をしないので、我が家の冷蔵庫には、何ヵ月も前からのわさびの切れ端がいっぱいあったりして、迷惑がられるこのごろなのである。
今日も今日とて、そじ坊に行くと、な、な、なんとデューク氏もおつきの人2人を連れてやってきたのである。
氏もわさびをおろし金ですりたい人なのであろうか?
もちろん、この店の人も、先に入っていた私をすっ飛ばし、デューク氏の方に注文を取りに向かったのである。
その後、氏は当然とばかり、2人分のそば代も気前よく払っていたのである。
どうも、この辺が違いのようである・・・
しかし、数少ないなれど、私もおごったことくらいはあるのである。
おごったといえば、先日、福岡で福岡のアシスタントのみなさんとミーティングをした。晩飯も食わずにミーティングをしたので、ミーティング終了後、居酒屋に行ったのである。
日ごろ手弁当で本当にがんばっていただいているので、さすがにこれは晩飯くらいはおごらねばならぬと思ったのである。
「いつもどうもありがとう。今日は僕のおごりだから、好きなものをどんどん食べて!」と言ったのは確かに私である。
しかし、本当にどんどん好きなものばかり注文するのはどうであろう?
別にケチっているわけでもないし、文句を言っているのではないのである。
カンセラーを志しているみんなのことだから、言葉以外の含蓄ある日本人の心を読み取っていいのではないか?カウンセラーを目指す諸君!
「それなりのものにしてね。刺身の盛り合わせやステーキ以外で」というみんなの健康を思いやった私のあたたかい思いやりを読み取れないようじゃあカウンセラーとしての未来はないよ。
佐賀牛ステーキ2500円を2皿も頼むというのはどういうことなのだ!?
だいたい、太っている人は心臓が弱いと相場は決まっているのである。
社長の心臓を思いやるやさしさは、カウンセラーとして必要なのではないだろうか?
グチではない。決してグチではないんだよ。
カンセラーを育成する立場の私が、たかが居酒屋のお会計ごときでグチを言うわけはないではないか!?
そう、これは教育的指導なのである。
一番の呑みすけのN君に「家で待っている彼女のことも考えて、無茶な飲み方を控えるように」と言ったのは、君の体と彼女が心配することを考えたうえでの発言で、決して酒代を浮かそうというようなケチな魂胆ではないのだよ。
その場に同席していたOさんを見習いなさい!
彼はわざわざ車で来て、ウーロン茶しか飲まなかったではないか!
確か5杯はおかわりしていたと思うけれど・・・・・・。
何と暖かいハートの持ち主なのであろう!
しかしながら、あのセレブなデューク氏ならば、きっとこのような教育的な指導などなく、居酒屋に行くのであろうなぁ。
この日、早く教育的指導なしにみんなにおごれるようになることを誓ったのであった。
2007年10月27日 13:02