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2008年5月10日
沖縄料理不思議発見 Part2

9ヵ月間にもわたる沖縄看病生活の中で、私は、いろいろな大衆食堂のメニューを経験したわけであるが、私が大衆食堂で一番初めに、失敗したメニューはなんと「みそ汁」なのである。

みそ汁?

そう、みそ汁なのである。

自分の父親の看病のために、沖縄に行くハメになった私が、まだ沖縄に行きはじめて間もない頃のとある朝、私は朝食を食べるべく、病院の近くの大衆食堂にいたのである。
そして、メニューを見せてもらったのである。
本土では、朝は朝食用のメニューというものが決まっており、モーニングセットや朝食セットのみというレストランも少なくはない。
しかし、当時、沖縄では、朝からほとんどのメニューが何でもいけますよ、という状態だったのである。

メニューの中に、 「 みそ汁   280円  」 となっているのである。

当時、うちの家の近所でみそ汁は、どれだけ高くったって100円程度だったのである。
やけに高いみそ汁だなぁ、しかし、沖縄のことだから、きっととっても大きい丼にみそ汁とともにティビチと呼ばれる豚足が3本ほど入ったみそ汁か何かなのだろうと思ったのである。
そして、頼んだのである。
みそ汁を1つ、おかずとして豚しょうが焼き1つ、そして、ライス1つ。
私の頭の中では、豚しょうが焼きのお皿の横にみそ汁とごはんがついているものが出てくると予想したのである。

ところがである。
私のテーブルの上は、朝からまるで満漢全席を食べているくらい、ものすごいことになってしまったのである。

沖縄のメニューでみそ汁というのは、ごはんとおかずとみそ汁がセットになったものを言うらしい。
値段が280円もしたのは、すべて込み込みの料金だったからなのである。
さらに、朝食時には、豚しょうが焼きを単品で頼んだとしても、朝食用サービスとして、ごはんとみそ汁がついてくるのである。
さすがに別に頼んだごはんは、ごはん1膳だけが来たのであるが・・・
結局、私のもとに運ばれてきた料理は、みそ汁2つ、白ご飯3つ、そして、朝食用の一般のおかずに、豚しょうが焼きのお皿1つだったのである。
当然、そんなたくさん食べられるものではないのだが、食堂の人も、大食いの人がやってきたのかなぁ、ぐらいにしか思っていないようである。
これが、私が沖縄の食堂で受けたはじめての洗礼なのであるが、この「みそ汁」に引っかかった人は意外とたくさんいる模様である。


また、その当時の沖縄のごはんは、そのころ私たちが食べていた白米とは味がまったく違ったのである。
当時、日本は米がものすごく余っており、古いお米はすべて沖縄に回され、ものすごい安い価格で販売されていたのであった。
沖縄は、古々米や、古々々米などというものすごく粉っぽい古いお米の一大消費地だったのである。
田舎の百姓の跡取り息子である私は、普段からお米だけはいつもよいものを食べていたので、正直、当時はこのまずい米が一番苦痛だったのである。


あと、沖縄といえば、パイナップルをはじめてとするフルーツ王国のイメージがある。
実際、名護の近くには、パイナップル園が多数あり、パイナップルに関しては本当にタダ同然で食い放題になるのである。
ところがである。
沖縄には、我々本土の人間が、当たり前のように食べる「みかん」がないのである。
うちの親父は沖縄に12月までお世話になったのであるが、あまりに沖縄の人からもらうみかんがまずくてすっぱいので、あるとき、私がみかんをうちから一袋、病院にもって行ってみんなにあげたのである。
すると、これが大好評だったのである。

そのため、次の週、私は、沖縄に行くのにみかんを一箱持って行くハメになったのである。
みんなに配ってあげたのだが、なんと、見知らぬ人まで、うちの病室にみかんをもらいに来て、即日売り切れだったのである。
今でこそ、シークァーサーは有名なのだが、当時、沖縄のみかんはあのすっぱいシークァーサーだけだったのである。
だからこそ、温州みかんの甘みに沖縄の人はびっくしりたのであろう。

あと、沖縄の人は、何かというと、ケンタッキーフライドチキンなのである。
何かお祝い事があると、なぜそうするのかは、不明なれど、みんなケンタッキーフライドチキンを用意したりするのである。
「なぜ、ですか?」と聞いてみたのだが、「なぜもクソもそうするものだろうが」と言われてしまい、詳しくは不明なのである。
なにゆえか、沖縄のみなさんは、ケンタッキーフライドチキンが好きなのである。

そして、フライドチキンをほおばりながら、ルートビアなる漢方薬とコーラを混ぜたようなとても飲めたような代物ではないものを飲んでいらっしゃるのである。
本土から来た人のほとんどは、このルートビアは、口に合わないようなのだが、これは飲み放題になっていたりするのである。
私も、最初は嫌々飲んでいたのであるが、9ヵ月の間にこの味に慣れてなれってしまったのである。

来月、久しぶりにルートビアを試して見るのがとても楽しみなのである。


2008年5月10日 00:00